精神科医である先生方が転職を考える時、多くの先生方が最初に行うのはネット上で求人を探すことかもしれません。
しかし、求人票やサイトに載っている情報はあくまで磨かれる前の大まかな内容や条件になっているケースが多く、交渉次第で変動するのが実情です。
本日は、精神科医の求人の裏側と、そこから考える転職の際のポイントについて共有させていただきます。
~~求人票に表れない「採用熱」や条件の幅~~
■採用熱を読み解く
求人票から読み取れないものの一つが、病院側の「採用熱」です。
急募で複数名を採用したい案件と、「良い人がいれば」というような募集では面接のスピードや条件の柔軟性が大きく異なります。
どの求人に応募するかは、ご自身の希望条件と募集背景の相性を考えた上で選ぶことが重要です。
■掲載給与と実際の給与の違い
同じ医療機関でもインターネット掲載の求人と紹介会社から送られてくる求人では給与額が異なることがあります。
インターネットの求人は不特定多数の医師向けに幅広いレンジで給与が記載されることが多く、さらにサイトによっては当直代を含むかどうかで幅が生まれます。
ちなみに、私どもから先生へ個別に送る情報は先生のご年齢やご経験、指定医資格の有無などを踏まえたリアルな額面ですので、インターネット掲載の求人とは異なるケースは多いと思います。
また実際に採用面接後に評価を受け、事前の(面接前)提示額より200万円程アップしたというような事例もあり、面接後にも条件がアップするケースもあるのです。
求人票の数字をそのまま信じるのではなく、最終的には希望条件を提示し交渉することで先生ご自身に合った条件が引き出せます。
■常に求人が出ている医療機関への注意
常に精神科医を募集している医療機関は要注意という見方もできます。
職場環境や経営方針に問題があり退職が相次ぐケースがあり、募集が絶えない理由を確認すべきです。
ただし、経営改善に取り組んでいる医療機関が採用活動を継続している場合や急性期の病院が毎年指定医の排出をしており、指定医取得後は一定数の医師が辞める場合もあり、最終的には表面だけで判断せずに詳しい情報を集めることも大切です。
~~紹介会社の使い方と注意点~~
■複数の紹介会社を使うメリットとデメリット
複数の紹介会社に相談や登録をすると、数多くの求人情報が集まるというメリットがあります。
(ちなみに、私ども【精神科医の転職相談室】では、精神科特化型ですので、他社さんの求人が自社にないというケースはほぼありません)
ただデメリットについても知っておくべきです。
同じ医療機関に対して複数のエージェントが問い合わせや交渉を行うことがあり、これにより病院側は「この先生は複数の会社を通じて応募している」と受け取り、印象が悪化する可能性があります。(個人が特定できる情報は出さなくても、希望条件などから同一人物かどうかの判断は容易です)
また忙しいご勤務の中で複数のエージェントとのやり取りが発生すること、さらに希望条件を正確に伝えていないエージェントが勝手に高い希望年収で交渉してしまったり、誤ったタイミングや方法で交渉をすることで話がまとまらないケースもあり、優秀なエージェントの妨害を他エージェントがしてしまうケースもあります。
本来は様々なエージェントとコンタクトを取るのは良いのですが、最終的には優秀なエージェントで話を進めることをお勧めいたします。
■ミスマッチを防ぐための情報共有
医療機関に先生を紹介する際に、エージェントが先生の希望や経験を正しく理解していないと誤った情報が伝わり、面接で全く違う条件を要求されることがあります。
このようなトラブルを防ぐには、自分の希望や譲れない条件、妥協できる条件を整理し、エージェントに正確に伝えることが必要です。
また精神科知識や精神科転職に詳しいエージェントで話を進めることお勧めいたします。
~~市場環境の変化と求人の多様化~~
■売り手市場から買い手市場への移行
医師の転職市場は長らく売り手市場でしたが、都市部を中心に医師が充足し、精神科医の転職が容易ではなくなっている地域もあります。
売り手市場の時と買い手市場の時では医療機関の考え方が変わり、応募書類の作成や面接での立ち振る舞いなど、より丁寧な対応が求められるようになってきています。
単に求人の数が多いからといって選び放題の状態ではなく、医療機関から「来てほしい」と思われるよう先生ご自身の強みを棚卸しして臨む必要もあるのです。
■求人の多様化とメンタルヘルス需要の拡大
近年、ストレス社会の影響や企業のメンタルヘルス対策強化を背景に、精神科医の需要は増え続けています。総合病院、精神科専門病院、クリニックだけでなく、企業や行政機関、またオンライン診療など活躍の場が広がっており、自分のライフスタイルに合った働き方を選びやすくなっています。
こうした求人ではコミュニケーション能力が重視され、患者と粘り強く対話できるかが重要視されることもあります。
■病院側の本気度を見定める
精神科の求人を探す際は、医療機関がどれだけ本気で医師の採用に取り組んでいるかも重要なチェックポイントです。
採用担当者が自院の特徴や魅力、将来のビジョンを説明できない病院もありますが、反対にデータ資料などを基に、面接時に丁寧な説明やフォローをしてくれる病院は、医師を大切にしているケースが多いです。
また、院長自ら自院の強みや弱みなどの話を正直にしてくれるような医療機関も好印象です。
医師の採用は、採用が決まって終わりではなく、大事なのは入職後ですから、事前に齟齬が無いような丁寧な説明は必要不可欠です。
この事前の説明が欠けている医療機関は「辞めたらまた新たな人を採用すればいい」かのように採用に本気度を感じません。
~~最後に~~
精神科医の求人は、サイトに掲載された数字や表現だけでは読み取れません。
採用熱や募集背景、医療機関の将来像を見極め、ネットに掲載された条件を鵜呑みにせず先生ご自身の希望に基づいて交渉する姿勢が必要です(求人主導型ではなく先生主導型)。
また、複数のエージェント利用で起こり得るトラブルや誤情報のリスクを理解し、信頼できるコンサルタントを選ぶことも重要です。
インターネットに掲載されている求人情報は出発点もしくは参考情報に過ぎません。
先生ご自身の価値観やライフステージに合った働き方を実現するために、丁寧な情報収集と計画的な準備をしていくことをお勧めいたします。
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私ども【精神科医の転職相談室】は、精神科特化のコンサルタントだからこそ、求人票には出ないような内部情報や精神科医のキャリアに関する詳しい知見を持っております。
もし今まさに転職をお考えであったり、将来的なキャリアについてお考えの先生がおりましたら、以下よりお気軽にご相談ください。
