精神科以外の医療機関でご勤務して頂く場合ですが精神科の中では当たり前になっているような事が認知されていないなんて事もあります。
このような事があれば先生方のご勤務の弊害になってしまう可能性も十分に有り得ます。
そこで以前に実際にあった2つの事例についてご紹介させて頂きます。
今後、同じようなシチュエーションでの転職をお考えの場合にはお気を付け下さい。
パターン①
「ケアミックスの病院への転職」
私共の方でご案内させて頂きましたS先生の件ですが、ケアミックスの病院にご入職して頂きました。
認知症の患者をメインに対応して頂く事になったのですが、その中には多くの身体合併症の患者が含まれていたようです。
身体対応に関しては精神科病院では内科医が対応する事が多い事はご存知の事だと思います。
こちらの病院からも精神科の先生方には極力、身体対応は行わなくても良いように配慮していきます、という事で事前にお伺いしていました。
しかし実際に勤務が開始するとS先生にも身体対応を迫られる場面が出て来ました。
そこで病院に対し身体対応に関しては別の先生にお願いしたいとお伝えしたのですが、そもそも病院側が考えている身体対応のレベルとS先生が考える内容に大きな齟齬が生じていたのです。
病院としては「このレベルであれば対応可能だろう」と考えていた事がS先生からすれば「許容範囲外である」というように認識されていたのです。
S先生の今までの勤務実績から考えますと、S先生に問題があるとは考えにくい状況でした。
恐らく一番の問題は普段精神科の先生方と接していない病院の精神科への理解度の欠如という事ではなかったのだろうかと思った事例です。
パターン②
「訪問診療クリニックでの広報活動について」
以前ご案内させて頂いていたI先生の件ですが、非常勤として訪問診療クリニックにて勤務して頂く事が決まりました。
勤務開始から間もなくしてクリニックの広報の一環としてHPや発行物に先生の写真やご経歴などを掲載したいので、ご協力して頂けないかとの依頼があったようです。
これもご存知の通り精神科に関しては患者との距離感の関係もあり各病院のHPなど公になるものに医師の詳細情報を掲載しない場合が多くなっています。
この事実を知らないクリニックからI先生に対し断り切れない程の強い依頼がありお困りになっていたようでした。
結局、私共の方からクリニックに状況をご説明し、ご理解頂く事が出来たのですが、これもクリニックが精神科の事情をよく理解していなかった事が原因ではないかと考えております。
この様に精神科の事情を知らない医療機関も存在しています。
そのような所で勤務する際には当たり前だと思い込んでいた事が通用しないなんて事も有り得ます。
念には念をという事で予めご確認して頂く事をお薦め致します。