私共の方にご相談に来られる先生方の中には、これから指定医の取得や専門医の取得を
視野に入れて転職を考えていらっしゃる先生方も多数いらっしゃいます。
このような条件の先生方にとりまして、転職先を探す際の最大のポイントとしましては
資格を取得するために必要な症例が確実に集まるような病院という事になります。
更には過去に指定医を取得された実績が豊富にあり、レポートの添削などに関しても
多くの実績が残されているような病院であれば、それに越した事はありません。

 

しかし先生方もご存知の通り、一通りの症例が集まる病院というのは限られており、
更にはスピーディーに症例が集まるような病院という事になりますと、
より数が絞られる事になります。

 

先日、担当させて頂いたA先生は内科から精神科に転科を希望されていた先生でして、
正しくこれから指定医の取得を目指していらっしゃる先生でした。
そこでご希望のエリアの中で確実に症例が集まり過去に指定医を取得した実績がある
病院を探すために情報集めに着手しました。

 

いざ情報を収集してみると意外にも偏った症例を扱っている病院がとても多い地域で
一通りの症例が集まるような病院がほとんど存在しない事に気が付きました。
そんな中で唯一、ある病院に問い合わせをしてみたところ、過去に取得実績もあり
症例は一通り集まるという事で情報をキャッチしました。
より詳しく情報を確認していますと、確かに一通りの症例は集まるようですが、
中でも集めるのが難しいとされる児童思春期については年間で1例あるか無いか程度である
という事でした。その他、措置入院などに関しても年間で数件程度という件数のようで
下手をすれば年間で1例も集まらない可能性もある訳です。

 

確かに一通り集まるという事だけで言えば間違いない事かもしれませんが、
正直なところ、私共としては先生方に症例が集まる病院としてご紹介する際に
このレベルの病院を紹介させて頂くのは、とても気が引けてしまいます。
にも関わらず病院の事務長に話を聞くと「うちの病院であれば全ての症例が集まる!」
という事で豪語される事が良くあります。

 

このような話を信じて入職した結果、実は症例が集まらない事に気が付き、
余儀なく転職する事を検討している、という事でご相談を受ける場合もあります。

 

 

そうなんです。病院にヒアリングを行う際には症例が集まるかどうかだけではなく、
・どの位の期間で集まるのか?
・他に症例を集めている医師は存在するか?
・症例が集まる背景は?
・万が一集まらなかった時の対策は?

 

以上のような事も含めて確認しておく事で、どれだけ症例を集める力のある病院なのかが
見えてくる事になると思います。「全て集まりますよ」を鵜呑みにはしないように
十分、気を付けて下さい。