医師の先生方の転職をサポートさせて頂いている際、私共が必ず目を通すのが条件通知書です。
 
この条件通知書(医療機関によっては雇用条件通知書 等 呼び名が違う事もありますが)は医療機関側が面接を終えた後にオファーを出す医師に対し出す書面であり、
勤務内容や条件面や手当等について記載がある書類です。
またこれは先生を採用したいという医療機関側の意思表示でもあります。
 
この意思表示である条件通知書を先生がご覧頂き、最終的に転職をするか否かを先生に決めて頂く訳です。
 
そこで気になる部分と言えば、やはり給与額はその代表格でしょう。
年次や指定医等の資格でしっかりとした規定がある医療機関も多いですが、医療機関側からの評価ポイントとして分かりやすい数字です。
そしてその給与額に関連する項目として、賞与の有無です。
 
本日はこの賞与についてお伝えしたいと思います。
※正確には賞与規定の裏側とも言えると思います。
 
 
さて上記のように賞与の有無に関しては、医療現場という考え方から賞与を出さない医療機関も多いのですが賞与を出す医療機関もあります。
 
そこで先生方が思う事と言えば、
「賞与があった方が良いなぁ」
という事ではないでしょうか!?
 
特別の月だけはいつもの月額よりも多く給与が貰える。
そんなイメージをお持ちかもしれませんね。
 

 
 
しかし実はこの賞与・・・
必ずしも良い事ではありません。
 
① 賞与は必ずしも出るとは限りません。(病院の経営状況、売上状況によって毎回の額は安定しません。経営状況が悪ければ出ない可能性も勿論あります。)
② 年収に含まれるという記載が条件書にある場合は、その年収はあくまでイメージという事になり、経営状況により年収が提示額よりも下がる事もあります。
③ 医療機関側の経営の立場として考えた時に賞与は経営者側の都合です。(基本給を抑えて賞与によって年収をコントロールする事が出来る為、実は基本給を抑える事が出来る。)
④ 賞与にもしっかり所得税がかかります。(通常の所得とは別に賞与額からも所得税が引かれます。)
 
 
正直申し上げますと、賞与は不安定な額で当てになりません。
もし上記のような条件書が届いた場合には、担当のコンサルタントに「賞与分を年収に組み込んだ年俸制(単純に12ヶ月分配)にしてほしい!」と言ってみるのも一つの手です。
 
賞与という言葉のインパクトは強いかもしれませんが、紐解くと実は・・・な事が多いのです。
このような数字のマジックにはご注意下さい。