
精神科の先生方が転職を検討される際、クリニック勤務と病院勤務(主に精神単科病院であるケースが多い)のどちらを選択すべきか迷われるケースが多くあります。
本日は、それぞれのメリット・デメリットを具体的に比較し、先生方がご自身に合った勤務環境を選ぶ際のポイントについて触れたいと思います。
■クリニック勤務の特徴
クリニック勤務では、病院勤務と比較して勤務時間が比較的安定している傾向にあります。
特に外来診療のみを行うクリニックの場合、夜間や休日のオンコール対応がほぼありません。
また病棟管理が基本的にない為、外来診療や訪問診療に集中できる環境があります。
よって外来もしくは訪問診療などをメインに行いたい先生には適した環境と言えます。
一方、スタッフが少人数のため、人間関係が合わなかった場合や患者様とのトラブルが起こった際にはストレスを感じやすいというデメリットもあります。
またクリニックはその規模や診療スタイルから、患者さんの数を意識させられます。
実際に収益重視のクリニックが多くなりがちであり「職場の雰囲気と合わない…」という声を挙げる先生方も少なくありません。
転職前に是非、院長先生の人柄やスタッフの雰囲気、クリニックの方針等を事前に十分確認されることをお勧めします。
■病院勤務の特徴
精神単科病院は急性期から慢性期まで幅広くあり、さまざまな症例に触れることができます。
特に急性期病院では、短期間で専門的なスキルアップを図れる環境が整っており、精神保健指定医や専門医を目指せる環境の病院もあります。
慢性期病院の場合は、オンコールがほぼなく、比較的穏やかな勤務環境である為、落ち着いて患者様と向き合いたい先生に適しています。
また、精神単科病院(特に慢性期病院)の勤務は休憩時間を含めた拘束時間がクリニック勤務より短い傾向があり、自分の時間を確保しやすいという利点もあります。
しかし、精神単科病院勤務には、当直が定期的に発生するケースがあり、生活リズムが不規則になる場合もあります。
また組織の規模が大きくなるほど、自身の診療方針や意見が通りにくくなることも考えられます。
事前に病院内の風通しや管理体制についての確認が重要です。
■実際の成功事例と失敗事例
【成功事例】
40代の精神科医A先生は、急性期の精神単科病院から慢性期病院へ転職されました。
転職後はオンコールや当直がなくなり、患者様との診療にもじっくりと向き合える環境に満足されています。
成功の要因として、事前に病院を見学し、スタッフの雰囲気や実際の勤務環境を確認したことが挙げられます。
【失敗事例】
一方、50代のB先生は、急性期よりの精神科単科病院からクリニックへ転職されましたが、院長先生との診療方針の違いからストレスを抱える結果となりました。
原因は事前の情報収集が不足し、院長先生との面談を十分に行わなかったことでした。
クリニック勤務と病院勤務の選択においては、先生方ご自身の重視するポイントを明確にし、それぞれの職場環境や診療スタイルとの相性を見極めることが重要です。
私共【精神科医の転職相談室】では先生方のご希望を丁寧にお伺いし、上記の事を踏まえながら最適な職場選びをサポートさせていただきます。
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