
他科から精神科へ転科をしたという先生方は、過去に私共へご依頼いただいた先生方の事例を見ましても比較的多い多い事例です。
しかし現在、精神科医として勤務しているにもかかわらず「元の科目の分野をやらされる事が多い…」という事、ありませんでしょうか?
「せっかく精神科へ転科をして指定医を目指そうと思っていたのに」「精神科に専念して経験値を積んでいきたいのに」という先生のお気持ちと実情に乖離があるケースです。
(勿論、「元の科目の分野も是非診たい」という先生であれば話は別ですが)
実際に私共【精神科医の転職相談室】へ、元内科、元外科、元皮膚科、元麻酔科など多くの先生方からこのようなお悩みを伺う事がございます。
・「内科から転科をしたのに、合併症の患者様の身体面の管理ばかりやらされていて、自分は精神科医師なのかどうかが疑問だ…」
・「指定医が取れるという事で入職したが、実際は身体面のフォローばかりで経験と症例が上手く積めていない。」
・「麻酔科から転科した事もあり、mECTにばかりやらされて点数稼ぎに使われている。」
では転科の先生は以上のように必ず元々の科の分野ばかりを求められるのか?
と言いますと、そんな事はありません。
元々の分野についてアドバイスを求められる事はあるかもしれませんが、しっかりと精神科に専念できる環境は作れます。
まず元の科目ばかりになってしまう原因はいくつかあります。
① 転職時に「〇〇科(元の科目)の分野も診る事が出来ます」と病院に対し強い売り込みをして転職をしてしまった
② 「元の科の分野も診れるが、軸は精神科で経験が積みたい」という念押しがしっかり出来ず入職してしまった
③ 病院側の医師体制の問題
以上が大凡の原因です。
つまり上記の事を理解し、お話を進めれば入職後の後悔のリスクは軽減できます。
またさらに付け加えるのであれば、病院の体質です。
指導体制のある病院で複数の非指定医を抱え、過去にも指定医の取得実績のある病院であれば、上記のような事は比較的防げる傾向にあります。
「元々の科の分野を転科の先生にやっていただく」という考え自体がこのような病院にはない傾向もあります。
しかし、程々に急性期の患者様はいるが慢性期の患者様も多い、比較的小規模の病院の体質では「元の科の分野をやってほしい」という事になりやすいと言えます。
このような体質の病院での精神科転科は注意が必要です。
私共は転科をする際のポイントやリスクに関しては大方把握しておりますので、もしご縁があり、このコラムをご覧になられている同じお悩みの先生がおりましたら、お気軽にご相談下さい。