仕事を行う際の目的意識の持ち方について

今回ですが、先生方の身近な存在であるコメディカルの方々の働き方や転職に関する内容についてご案内させて頂きたいと思います。
先生方にも通じる部分があるかもしれませんので、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

先日、以前より交流がある製薬系の企業の人事担当者とお話をさせて頂く機会がありました。
この方が勤務している会社ですが、治験施設支援機関(SMO)と呼ばれる企業になっており、業務内容としては製薬メーカーが新薬を開発する際に行う治験実施を支援する企業になっております。
こういった企業で勤務している主なメンバーの一つに治験コーディネーター(CRC)という職種が存在しているのですが、この企業ではCRCの採用について様々な問題を抱えており、その内容について共有させて頂いた時のお話になります。

CRCという仕事ですが、医療機関の中で治験に参加する被験者や治験責任医師と医学的な専門用語などを交えたやり取りをしたり、カルテを閲覧したりする事もあって医学に関する知識や医療現場に精通している人が求められており、主に看護師や薬剤師、臨床検査技師などの医療系の資格を持っている人が適任者として採用される事が多くなっております。
こういった資格をお持ちの方々の多くが、元々は臨床現場にて病気で苦しんでいる患者を救う事を第一の目的として働いていた方々になる訳ですが、CRCとして採用された方々はSMOという企業の一員として利益を追求する事を第一目的とした勤務して頂く事になるため、医療機関とは全く違った環境の中で勤務をして頂く事になるのです。

ここでCRCの方々はある壁にぶち当たる事になるようなのです。
それは「仕事を行う際の目的意識」という事になります。
臨床現場で勤務していた際には目の前で苦しんでいる患者を救う事が目的であったのに対し、企業で働く際に求められる事は第一に「利益追求」という事になります。
CRCになった当初は、新薬を開発して新薬を待ち望む患者の手助けがしたいとの思いがあったにも関わらず、実際に行っている仕事は企業の利益追求のために仕事をさせられているというような感覚に陥ってしまうのです。
これがきっかけで直ぐに退職してしまう人も多いようで、企業の人事担当者としては退職者を少なくするためには、どういった事をすべきなのか、頭を悩ませているという事になるのです。

そこで色々と策を考えた結果、人事担当者がCRCに対してある提案を行ったところ退職者が少なくなったようなのです。
では何を行ったのかと言いますと、それは仕事を行う際の目的意識の持ち方について、今までとは違った視点で捉えてみてはどうかとの提案をしたようなのです。
具体的に言いますと、今までは第一に企業の利益のために働かされていると思っていた部分を「まずは良い仕事をする、その結果、企業の利益にも繋がり、更には困っている患者を救う事に繋がる」という考え方を提案したようなのです。
すると意外にもこの考え方をすんなり受け入れてくれるCRCが多かったようで、仕事に対してポジティブに捉えてもらう事が出来たりモチベーションの維持に繋がる結果になったという事でした。

仕事を行う際ですが、時には自身の思い通りにいかない事や、職場の考え方に対して不満を感じてしまう事など、モチベーションが低下してしまうような事もあるのではないかと思います。
そういった時には、今回のような視点の切り替えをして頂く事で違った目線で仕事に取り組む事は出来るようになる事もあるかもしれません。
紹介会社の私共が言う事ではないかもしれませんが、一つの職場で長く働けるに越した事はございません。
そのためには、時にはこういった考え方をしてみる事も重要ではないか考えております。
是非、今後の先生方の働き方のご参考にして頂ければ幸いです。