現在、勤務している常勤先がクリニックという精神科の先生方も多いと思います。
そのようなご状況の中で、非常勤として新たにクリニックでのご勤務を追加するお考えの先生はいらっしゃるかもしれません。
また今後、非常勤のみのフリーランスとして複数のクリニックの掛け持ち勤務を検討されている先生もいらっしゃるかもしれません。
本日はそのような先生方に、外来をメインとするクリニックでの掛け持ち勤務について、そして今後クリニック側の採用面接を受ける上で気をつけなければならない点をお伝えしたいと思います。
まず本題に入る前に、
現在、メンタルクリニック(主に外来をメイン業務とするクリニック)は都心部を中心に非常に多くなっています。
お知り合いの先生が既に開業しているという話も珍しくないのではないでしょうか。
またクリニックは病院とは違い、規模が小さく病棟施設を持っていないところがほとんどの為、入院料が取れません。
つまり外来の患者様やデイケアの患者様の数こそが経営状況を左右します。
また経営母体が小さいという事もあり、病院のように赤字に持ちこたえる資金面も豊富にあるわけではありません。
以上の事もあり、クリニックには「勤務医の先生には一日最低〇〇名以上は診てもらわないと困る!」というような特有のノルマ的思考が生まれているのです。
では本題に入ります。
実は外来クリニックのこの環境こそが非常勤を探す上で気をつけなければならない事に繋がります。
というのも、他のクリニックで常勤として働いている先生が他のクリニックで働く・・・、非常勤で同じエリアのクリニックで掛け持ち勤務をする・・・、
つまり「ウチの患者様を別のクリニックに引っ張ってしまうのではないか」という不安がもう一方のクリニック側に生まれるのです。
しかも双方のクリニックが、患者様がお住まいになっているエリアと重なるところに位置しているのであれば尚更その心配は大きくなります。
これが後に面接をする側のクリニックが懸念を抱くポイントです。
安易に近隣だからといって非常勤枠に応募しても、こういった理由で断られる事は意外に起こりえます。
クリニックと病院の関係性は、外来と入院で役割が分かれている為に関係性が良いのですが、クリニックとクリニックとは近隣であればあるほど(行なっている業務内容が同じであれば)、ライバル関係となります。
非常勤をお探しの先生やこれから掛け持ち勤務をお考えの先生は、現状の業務内容や施設区分、勤務エリアを考えながら慎重にお話を進める事をお勧め致します。