精神科医の勤務事情・転職事情 ~~慢性期へシフトする年代について~~

 

本日は、主に指定医の先生方からご相談を頂く内容を共有させていただきたいと思います。

それは、「将来的には慢性期病院への転職を考えているが、他の先生方は何歳くらいから慢性期病院へ移るケースが多いのか?」というご相談です。

先日ご相談を頂いたとある指定医の先生は、ご年齢が40代前半であり、今回の転職ではまだまだ急性期の患者様を診ていきたいとのご意向でしたが、
「あと10年後は慢性期病院へシフトした方が良いのではないか」というお考えをお持ちでした。

そこで過去に私共【精神科医の転職相談室】で転職のサポート実績や転職のご相談を頂いた先生方、全国の病院の中からいくつかの病院をピックアップした内情データを参考に、年代別に勤務病院の傾向をお伝え致します。
(先生方によってこれまでのご経歴、またご家庭環境 等のご状況は違う為、一概にこうした方が良いという内容ではございません。)

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<30代>
精神保健指定医を取得されたばかりの先生も多い30代の先生方は、急性期病院でのご勤務をされているケースが多いです。
これまで急性期病院で指定医を取得し、その後転職をして違う環境に飛び込む際にも「違う急性期病院も見てみたい」というご意向が強い先生が多いです。
また指定医としての業務に慣れる為という理由もあるようです。
よくあるケースとしては、同じ急性期病院に転職にするにしても、ややQOLの高い病院に転職をされるケースです。
(スーパー救急病棟ありの急性期病院 → 救急病棟の無い一般急性期の病院)

<40代>
指定医としてご経験を積まれた先生の多い40代は、家庭環境によって急性期病院での勤務なのか、もしくは慢性期病院なのか、クリニック勤務なのかというお考えが出てきやすい年代であり、他の年代と比べ急性期か慢性期かで分かれる年代です。
実際に「急性期は疲れてしまったので今後は慢性期病院へ転職をしたい」、「今後はQOL重視の転職がしたい」というお声を頂き始めるのも40代の先生からが多いです。

<50代>
精神科医師として最前線でご活躍されてきた先生方は、今後慢性期病院でのご勤務をお考えになる年代です。
また既に慢性期病院でのご勤務を始めている先生も多く、転職の際にも「慢性期病院での勤務」というご希望が多くを占めています。
実際に「当直は免除」というお声が多くなるのも特徴です。
全体的に慢性期病院でご勤務されている先生が多いのがこの年代です。

<60代以降>
既に慢性期病院の精神科病院でご勤務されている先生方がほとんどです。
(一部、急性期病院でご勤務されている先生は副院長以上の役職にお就きになっている事もあります。)
また医師の場合は該当しないケースが多いのですが、病院毎の定年規定を気にされる先生方が多いのが特徴です。
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また以上をグラフで表すと、以下のようになります。

【 年代別 転職先病院について(急性期病院 or 慢性期病院) 】

尚、ここでの急性期病院と慢性期病院の線引きは、
・「急性期病院=精神科救急病棟、精神科急性期治療病棟を持つ病院」
・「慢性期病院=上記病棟は無く、それ以外の精神一般病棟、精神療養病棟などを持つ病院」
としています。

「慢性期病院でのご勤務は40代から徐々に割合が高くなり始め、50代以降では慢性期病院でご勤務されている先生方の方が多い」という事が言えます。(弊社調べによる)

本日は年代という大枠でお伝えしてしまい恐縮なのですが、先生方の今後の進路の一つの目安にでもなれば幸いです。