事務長の立場を考える

 

先生のご勤務先、または過去のご勤務先で以下のような事を仰る事務長はいませんでしたか?
「先生、売上が落ちていますので、もっと外来数を診て下さい。」
「もっと入院を取って下さい。」
「もっと病棟の稼働率を上げて下さい。」
…etc

要は病院やクリニックの収益・数字に関わる事を、勤務医である先生方に生々しく言う事務長です。
もっと仕事をしてくれ!と言わんばかりにプレッシャーをかけてくる・・・。

本来、医療機関は非営利組織であり、患者ファーストでなければならないにもかかわらず、複数回にわたり収益について言われれば気分は良くありません。

正直、このような事務長は院内で距離を置かれていませんか?悪者になっていませんか?
実際に過去私共でご転職をサポートさせていただいた先生方の中には、以前の勤務先の事務長の事を悪く言う先生もおりました。

しかし、ご存知の通り医療機関は非営利組織と言えど、収益が無ければ潰れてしまいます。
収益が無ければ患者様がより良い医療を受けられる環境は提供できません。
収益を確保できないのに、大きな割合を占める人件費を上げるわけにはいきませんし、当然先生の給与を上げる事も出来ません。

そう考えると大なり小なり医療機関は組織ですから、実はこのような人が最低1人はいないと上手くいかないという見方もできます。
先生方の業務管理は院長がしているかもしれませんが、数字を専門で管理をする人も組織には必要なのです。

事務長も好き好んで「収益を収益を!」と言っているわけではないと思います。
こんな事を先生方に言ったらどのように思われるのかはわかっているはずです。
でも敢えて言う・・・。
それも仕事の一部であり、数字を管理しなければならない立場だからです。

収益志向が強すぎる組織は窮屈かもしれませんが、事務長の立場をもう少しだけ先生が理解して下さる事で、今のご勤務環境が良く思えてくる事もあるのではないでしょうか?

事務長職をフォローするつもりはないのですが、もう少し組織全体を見つめる事で、ヒートアップしていた事が案外収まる事もあるのかもしれません。