精神科医による訪問診療のニーズについて

ご存知の先生も多いかもしれませんが、ここ数年で精神科医による訪問診療のニーズが高まってきています。

数年前までは訪問診療というと、内科などの身体科のイメージが強かったのですが、高齢による認知症など(他症例も含め)患者様が増えてきた事もあり、精神科分野のみの訪問診療の求人案件も増えてきました。
さらには病院の病床数の縮小の動きもこの流れに拍車にかけている状況です。

ちなみに精神科の訪問診療といっても内訳は大きく分けますと2通りです。
①居宅への往診
②施設への往診

まず訪問先が居宅なのか施設なのかという事です。
居宅の場合は、一軒一軒ドライバーと看護師と共に訪問をします。
施設の場合は、同じ施設内に他科の先生も出入りしている為、施設全ての患者様を一度に診るわけではなく、数名を数週間に分けて診ていきます。

またお立場としては、
勤務医としての募集が多くを占めている状況ですが、クリニックの場合は院長職の募集の可能性も出てきます。
「今後新規クリニックを考えている為、院長(理事)に就任して下さる先生を採用したい」というお話はよくある事です。

また医療機関の規模については、訪問診療というとクリニックをイメージする先生が多いかもしれませんが、病院からのニーズも多くなっています。
病院は外来と病棟がメイン業務にはなりますが、週1日もしくは週1コマだけ往診というケースも出てきています。
ちなみに過去に面接で、病院から「今後訪問診療を視野にも入れていますが、先生は興味ありますか?」という質問に対し「No!」と返答した結果、後日不採用の連絡がきたという事も実際にありました。

今後の社会情勢を考えましても、精神科医としての訪問診療が当たり前になってくるかと思われます。

訪問診療にご興味のある先生は、いきなり常勤として訪問診療のクリニックに飛び込むという選択肢もありますが、実際クリニックによっては訪問時の体制や訪問件数、業務の中身(診る範囲)も違いますので、どのようなものなのかを探る意味で例えば週1日の非常勤から行なってみるのも良いと思います。