精神科医である多くの先生方はご存知かもしれませんが、精神科の医療機関は紙カルテの医療機関が多いです。
勿論、電子カルテを採用している医療機関もあります。
電子カルテに慣れている先生から見ると
「電子カルテの方が効率が良いのに、どうして電子カルテにしないのだろう?」
という疑問が生まれると思います。
中には「金銭的に電子カルテを導入するだけの余裕がないのでは??」と思われている先生もいらっしゃるかもしれません。
確かに金銭的にすぐに導入が出来ずにいる医療機関もあるのですが、
あえて 電子カルテを導入していない医療機関も多いのはご存知でしょうか?
理由は以下の通りです。
① 高齢の医師が多い為、電子カルテには不慣れでかえって業務効率が下がってしまう。
② 新システムの導入で在籍の医師から不満を招く事があり、複数の退職者を出す可能性がある。
③ 診察方針として、患者様と向き合うべき医師がパソコン画面と向き合いがちになる事を良しとしていない。
④ 患者様によっては電子カルテで機械的に済まされる事に対し、不満・不安に思う患者様がいる。
電子か紙かの違いはありますが、それぞれの医療機関にそれぞれの深い考えがある事は理解しておくべきです。
私共は多くの精神科医療機関と連絡を取り合っていますが、上記の中でも特に③④のお考えを持つ院長先生や精神科部長の先生方は多いです。
むしろ紙カルテである事に対して何の抵抗も無い先生方の方が多いのではないかと思えるほどです。
電子カルテの導入で業務効率を計る事によって、多くの患者様を診る事が出来るというお考えの医療機関もありますが、
本来医療機関として一番重要なのは、電子カルテか紙カルテかではなく、しっかり患者様と向き合っている環境かどうかだと思います。