精神科医の開業後の声 ~~開業して良かったこと&苦労話~~

 

クリニックの開業は、長年勤務医として働いてきた先生方が一度は考えたことのある選択肢ではないでしょうか?
病院やクリニック勤務では変えられなかった環境を自分のカラーにしたい、自分のやりたい医療や専門性を100%反映させたい、地域の患者さんとじっくり向き合いたい、という想いから開業を決断する精神科医の先生方は多いです。
一方で、開業後には現場でしか味わえないやりがいや喜び、そして苦労も待ち受けています。

そこで今回は、開業医インタビューをもとに、(個人名は伏せさせていただきますが)実際に現場で働く院長先生の声:開業後に感じた「良かったこと」と「大変だったこと」を一部ご紹介いたします。

~~開業して良かったこと~~

■経済的メリットと自己裁量
開業後しばらく苦労が続くものの、集患や組織作りが軌道に乗ると経済的な充足や社会的地位といった現実的なメリットが出てきます。
精神科は比較的大きな設備投資の必要がなく、安定した患者数を確保できれば収益が蓄積しやすい診療科です。
また、税制優遇を活用したミニマム開業の場合、概算経費制度によって手取りが増える可能性があり、節税の効果も期待できます。
さらに、勤務医時代には紙カルテなどアナログだった部分が、開業後は電子カルテやオンライン予約などのデジタルツールを導入することで患者さんの利便性を高め、自分自身の業務効率化にも繋がった、と話す院長先生もおります。
オンライン診療や産業メンタルヘルス外来など新しい診療形態を取り入れやすいのも個人クリニックの強みです。

■専門性を活かして地域に貢献
勤務医時代に抱き続けていた「いつか地元に帰って開業したい」という夢を叶えたというケースもあります。
地元で開業し、自分がずっと描いていた患者さんが落ち着ける温かな空間を演出し、また地域のニーズにも合った診療を提供された先生です。
指定医を取得し、さらに経験を積んだのちに自身の専門分野に特化したクリニックを開き、専門的治療を提供することで高い満足度と収益を両立させています。
こうしたサブスペシャリティの看板は将来クリニックのブランド化にも繋がります。

■患者さんの笑顔の為に
「何より患者さんのことが第一主義!」という強い想いからクリニックを開業した先生もおります。
来院する患者さんの表情が変わり「先生のおかげで、また頑張れる気がします」と言われた瞬間が一番のやりがいに繋がっていると話す先生です。
勤務医時代は役割が限定されがちであったり、病棟の稼働率や外来数などを意識させられ(経営上悪いことではないものの)、医療現場のあり方に疑問を持たれていましたが、開業すると診療のスタイルやスタッフ教育を主導でき、患者さんの安心感を第一に考えた環境を作れます。
病院勤務では難しかった院内レイアウトや設備を自分の理想に近づけることができ、患者のプライバシーや心理的安全性に配慮した診療空間を提供できるのも大きなメリットです。

■ライフワークバランスを意識した働き方
ご自身の医療方針や専門性は活かしたいが、家族との時間も優先したい、という希望を叶えたケースもあります。
近隣地域の患者さんに絞ったスタイルで、駅前ではなく、家賃の比較的低い駅から少し離れた住宅地を選び固定費を抑えながら、診療時間や曜日を調整している先生です。
「開業医なので急な休みは取りにくいものの、理想としていた医療と働き方ができている!」と笑顔で話す先生の表情は非常に印象的でした。
開業は自分の勤務イメージを形に出来る手段でもあります。
収入とのバランス次第ですが、先生によっては勤務医時代よりもライフワークバランスが良くなったというケースもあります。

~~開業後に感じた苦労話~~

■集患の難しさ
クリニックを開業すると最初の試練は「患者さんが来ない」という現実です。
新規開業のメンタルクリニックでは、口コミが広がるまで患者さんが少なく、1日1人しか来なかったというケースもあり、これらは開業医の先生方の多くが仰っています。(長い視点の綿密な事業計画が重要です)
都市部ではオンライン診療や競合クリニックが多く、WEB戦略を駆使して戦う必要があります。
一方、地方では患者さんより「スタッフの確保に苦労した」という声も珍しくありません。

■休みは取りにくい
精神科診療は予約制が基本であり、急に休むと患者さんやスタッフに大きな影響が出ます。
そのため開業医は「休めない苦しみ」を感じることがあり、休む場合も患者さんへの連絡が不可欠で、休診すれば収入も途絶えます。
複数医師体制が整えば代診で乗り切れるものの、立ち上げ間もない時期は院長一人に負担が集中しがちです。

■スタッフ問題と人材マネジメント
スタッフの採用と定着も開業後の悩みに挙げる先生はおります。
人を雇えば摩擦が起きる可能性もあり、突然の退職でクリニックが立ち行かなくなることもあります。
また精神科医を雇用する場合も、待遇だけでなく関係性が重要で、条件だけで繋がっていると長続きしません。
スタッフ教育や文化づくりに時間を割く必要があり、これまで診療だけに集中してきた先生にとっては大きな負担となることもあります。

■経営者としての知識不足
開業後に失敗した声として、立地調査や資金計画の準備不足、人事や経営に関する知識の不足が挙げる先生もおります。
資金繰りや法律、労務の知識が乏しいまま開業し、後から学んで苦労したという反省(もっと早くに知っておけばよかったという後悔)や、準備期間や事業計画をもっと綿密に検討すべきだったという声もあります。

~~最後に~~

精神科医が開業後に感じる「良かったこと」と「苦労話」は、自由度が高い反面、責任も大きいという両面性を映し出しています。
ご自身の作った環境で患者さんを診る、というのは勤務医時代では得難いものであり、多くの開業医が開業を決断した動機にも繋がっています。
一方で、集患の難しさや人材管理の悩みやプライバシーへの配慮など、経営者としての課題にも直面します。
これから開業を目指す先生方は、成功した院長の声だけでなく、失敗談にも耳を傾け、十分な準備と戦略を持って臨むことが重要です。
特に昨今では競合を意識した戦略が非常に重要です。

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私どもリノゲートは、精神科医の先生方の開業支援と併せて “開業後の成功” にも軸を置いた支援にも力を入れております。
開業後の成功は開業後ではなく、開業前の準備段階での仕込みが非常に重要です。
もし今、開業をお考えの先生がおりましたら、以下よりお気軽にご相談ください。