精神科医である前に医師である先生方は、仕事以外の生活や家族との時間、自分の時間を大切にしつつ、経済面でも満足を得たいという思いは少なからず持っているかと思います。
今回は、バランスよく働くためのポイント(ワークライフバランスを意識した働き方)と年収を保つための方法について触れていきます。
<年齢による年収水準>
弊社データでは精神科医の平均年収はおよそ1,393万円(勤務先は病院・クリニックがベース)となっていますが、年齢的には40〜50代が給与のピークで、60代以降は下降する傾向にあります。
よって年齢やライフステージも踏まえたバランスという考え方も必要です。
※ 精神科医の年代別の平均年収ついては以下の記事でも紹介をしております。
バランスを保ちながら収入を上げる方法としては以下が挙げられます。
<資格取得と専門性>
弊社の調査(全国の民間病院で働く精神科医の先生を対象にした調査)では、精神保健指定医資格を取得すると年収が100〜300万円程度上がるというデータがあります。
また指定医取得をきっかけに転職する医師も多く、資格取得は短期的には忙しくなりますが、指定医の取得後は給与交渉が有利となり、特に大学病院や公的病院から民間病院に転職をする先生方であれば大幅な給与アップが見込めます。
さらに、認知症や児童思春期、依存症などの専門性を身に付け、専門医の資格取得をすることでスキルを証明することになり、高い給与アップにつながるケースもあります。
働き方を柔軟に保ちたい人こそ、まずは指定医の取得は非常に重要です。
<勤務先の選び方>
慢性期病院は急性期病院よりも業務負荷が低く、給与が高い傾向があるため、特にワークライフバランスを重視する先生に向いています。
但し、指定医の取得直後に慢性期病院へ転職をするのは、措置入院や行動制限などの指定医業務を十分に経験できずに転職してしまうということになりますので、長い目で医師人生を見た時に、結果的に選択肢を狭めてしまいかねません。
また、クリニックで勤務するというのも選択肢の一つですが、クリニック勤務は病院勤務よりも年収が高くなりがちではあるものの、売上を重視し拘束時間が長い傾向があるため、高収入だからといってワークライフバランスが良いとは限りません。(もちろんそうではないクリニックもあります)
どの方向性に進むにしても、経験やスキルの状況を慎重に見極めてから転職のタイミングは判断するべきです。
<働き方の多様化>
例えばフリーランス医師として非常勤を掛け持ちする働き方は、時給1万円以上で週4日勤務すれば常勤で働いた際の年収を上回るケースも先生によっては出てきます。
また非常勤であれば、時間や曜日調整もしやすいというメリットがあります。
但し、勤務先によっては非常勤の医師の立場は不安定であり(常勤医師の体制や状況により非常勤医師の契約解除がありうる)、社会保険や税金も自己負担になるため、手取りを維持するには十分な貯蓄と綿密な計画は欠かせません。
ご家族の介護や育児など特別な理由がある場合には週2〜3日の非常勤勤務を選ぶ先生もいますが、採用側は基本的にフルタイム勤務を求める傾向が強いため、時短勤務を希望する場合には交渉と合理的な理由が必要になります。
また、さらに近年は高齢化や職場ストレス対策の充実により精神科医の需要は拡大しており、病院やクリニック以外の活躍の場が広がっています。
例えば、企業などでのメンタルヘルス支援、オンライン診療やウェルビーイングアプリの監修などは、時間や場所に縛られずに収入を得られる可能性も生まれています。
また、慢性期病院でゆったり働きながら副業として専門領域の講演や執筆を行うことで、キャリアの幅と収入源を多様化することもできます。
これらの働き方は、ワークライフバランスと年収の両立に役立つ新たな選択肢と言えます。
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先生方が年収とワークライフバランスを両立するには、年齢、資格、経験状況からの勤務先の選定計画(キャリアプラン)が重要になってきます。そして、収入と生活のバランスを整えることで、長期的に自分らしい働き方を実現することに繋がります。
ただ先生お一人お一人のご状況やお考えは当然ながら異なります。
私ども【精神科医の転職相談室】では先生方からキャリアプランのご依頼やご相談もお受けしております。(無理に転職をおすすめするようなことは一切ありません)
もし今後上記のようなことを気にされるようなことがありましたら、お気軽にご相談ください。
