2025年問題と精神科医療の関係

 
 
皆さんもご存知の通り、これから10年も経たないうちに65歳以上の高齢者の人口が
全人口の30%以上を占める事になり更に超高齢化社会が加速していく事になります。
この問題と関連してくるのが認知症患者の増加という問題です。
現在は460万人~470万人と言われている患者数が2025年には現在の1.5倍にあたる
約700万人に増える見通しになっています。
 
 
つまり認知症患者が増えるという事は精神科においても認知症患者の割合が増えて
精神科の先生方が認知症患者に接する機会が増える可能性を示唆している事になります。
では認知症患者との接点が増える事になれば、その結果として何を求められるかと言えば、
「身体合併症への対応」という事になってくるのではないでしょうか。
 
 
今の段階でも認知症を多く扱っている病院で勤務している先生方からしばしば耳にする事は、
精神科医として勤務しているつもりだが実際に行っている事は内科医として勤務しているのと
大差がないという現状についてです。本来は身体の対応については内科医に任せたいところだが
内科医の人数も少ないため任せる事が難しく精神科医がやむを得ず対応しているという事です。
 
 
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これでは精神科医が身体の対応に追われてしまい本来すべき事(精神疾患の対応を行う事)が
おろそかになってしまう恐れが生じてきます。このような状態の中で認知症患者が急増した場合、
患者に対して万全な対応が出来るかどうかは非常に難しい問題ではないかと思います。
 
 
認知症に関わる問題については精神科に特化した活動を行っている私共としましても、
非常に考えさせられる事が多くなっております。しかもそのような場面が日に日に増えている気がします。
これからはより先生方のご意見に耳を傾け、これが他人事ではなく身近な問題として私達に出来る事は無いか
常に考えつつ日々の行動を行っていきたいと考えております。