つい先日ですが病院訪問の一環として愛知県にあります、とある精神科病院に訪問してきました。
こちらの病院ですが名古屋の中心部から約1時間で行けるような場所に位置しているのですが、実際に訪問してみますと最寄り駅の周りには目立った建物やお店も無い状況で病院の近くまで足を運んでみると更に車や人通りも少なくなり、いわゆる郊外にある、のどかな地域という感じでした。
こちらの病院の事務長とお話をさせて頂き医師の募集についての考え方など詳しくお伺いしました。
その中で特に気になった点が2つほど出て来ましたのでご紹介させて頂きたいと思います。
1つ目は医師の募集に関する背景についてです。実はこちらの病院では病院の基準を満たすだけの最低限の常勤医師数は既に確保されているようです。
にも関わらず引き続き募集を行っている背景としては「働き方改革」への対応という事でした。
働き方改革の施行に伴い先生方が有給を取りやすくする事や残業時間などの無理強いをしないようにするためには若干余る程度の人員を確保する事が必要という事です。
つまり先生方が有給を取得する際には、その代わりに勤務して頂く先生の存在が必要になります。
ギリギリの人数で回しているようですと代わりになる先生が居らず結果的に休みなどが取れなくなります。
そのような状況を見越して余裕を持つための採用を行っているという事でした。
また先生方に余裕を持ってご勤務して頂く事が結果的に先生方に長くご勤務して頂く事に繋がるのではないかというお考えのもと医師の募集を行っているようでした。
2つ目は採用に関する難易度についてですが、こちらの病院では上記のような募集背景もあり、急ぎで医師の採用を行っている訳ではないようでした。
つまり病院の状況を理解して下さり、賛同して頂けるような先生でなければ基本、採用は難しいという事のようでした。
具体的にどんな感じかと言いますと実はこちらの病院には頻繁に医師からの応募があるようです。
しかし実際にお会いして面接を実施するのは応募された先生方のうち半分程度という事でした。
ではお会いすることなく断る場合というのは一体どんな場合なのかと言いますと、「週4日で当直無し」を希望される場合が圧倒的に多いという事です。
実際にご勤務されている常勤の先生方は週5日が基本で当直も週1回、入って頂いているようです。
このルールに従って頂けない場合には面接をする前の段階でお断りしている、という状況のようです。
確かに今までは週4日勤務で当直無しを希望される先生も多かったのですが、今後に関しましては今回の病院のような考え方の病院が増える可能性を考えますと、簡単に受け入れて頂けない時代が
訪れる可能性も十分に考えられます。
しかも今回の病院のような郊外の病院であってもこのような状況である事を考えますと大都市圏ではより顕著になるかもしれません。
今後の精神科病院が医師の採用を行う際に、どんな方向で動いていくのか注視する必要があると思います。
先生方におかれましては時代の流れに取り残されないように十分お気を付け頂きたいと思います。