先生方が病院の状況を判断する材料の一つに病床数と常勤医師の人数のバランスというのがあります。
一般的には病床数に対して常勤医師が多く配置されていれば一人一人の先生方の業務負担が少なく、常勤医師の配置が少なければ、その逆という事を推測する際の判断材料になると思います。

 

例えば300床の病院に常勤医師が10名配置されているA病院と同じ300床の病院に対して5名の常勤医師が配置されているB病院があった場合に単純に数字だけで判断してしまえばA病院の方が一人一人の先生方が対応する患者数が少ない分、業務内容的にも余裕が生まれるように見えがちです。
しかし実際にはそうとは限りません。
それは300床の病棟の中身がどうであるかが重要であるという事になります。

 

例えば救急の有無や急性期病棟の有無、措置入院がどれくらい来るのか、慢性期の病棟はどれくらいあるのか、認知症治療病棟はあるのか、、、などです。
これによって、その病院の内情が大きく変わってくる事になります。
先に挙げましたA病院とB病院に関しても数字だけで見ればA病院の方が緩やかなイメージがありましたが仮にA病院がスーパー救急を行っている急性期の病院だったと考えれば如何でしょうか。
300床を10名で対応ですから単純計算すると一人の医師が30名の患者を担当する事になります。
急性期の患者を30名対応するという事であれば、それはかなりハードな環境という事になってしまうのです。

 

 

特に民間病院の場合には各病院ごとに様々な特徴が存在している場合があります。
スーパー救急を行っている病院から平均在院日数が数百日という超慢性期の病院まで様々です。
ここまでの情報を収集し、その上で病床数に対して医師の配置が多いのか少ないのかを判断する事で正確な状況を判断する事が可能になります。
病院選定を行われる際には、この点について十分ご注意して頂ければ幸いです。