児童・思春期の症例について ~~患者様は多い!?少ない!?~~

 

精神科の先生方にとって児童・思春期の患者様に対するイメージはどのようなものがありますでしょうか?
 
・指定医を目指す先生にとっては「なかなか来ない珍しい症例で貴重だ」かもしれません。
・指定医の先生にとっては「これまであまり診る機会がなかったので苦手だ」や「患者様一人に掛かる時間は他の患者様に比べ長くなりがち」かもしれません。
・開業医の先生にとっては「多くの患者様を診れなくなってしまう為、収益性が悪いなぁ」や「当クリニックの看板の一つにしよう」かもしれません。
…etc
 
そんなイメージをお持ちかもしれませんが、
精神科疾患の中でも少し特殊な症例として認識されているのが児童・思春期ではないでしょうか。
そして積極的に診ている医療機関が少ない事から、「あまり来ない症例 → 患者様が少ない」という認識があるような気もしています。
 
実は病院側の採用担当者さえ、このような認識を持たれている方が多いのです。
 
 
しかしながら、実情は少し違います。
 
■ 積極的に診たいという医師が少ないから、病院として受け入れを少なくしている。
■ 病院の人的配置や体制的にも児童・思春期の患者様を受け入れる余裕がない。
■ 診る機会が少ない症例だからこそ経験値が低くなりがちとなり、診れる医師が少ない。
■ 他の疾患の患者様に比べ、外来での診察時間が長くなりがちな為、病院として収益性を考慮し敬遠している。
■ 診たいという医師がいても、指導出来る医師が少ない。
 

 
実は、患者様は多くいらっしゃいます。
 
よって、
児童・思春期外来を始めたという病院はすぐに予約でいっぱいになったり、指導出来る医師の下には経験値を積みたい医師が集まっていたり、
精神科病院の中でも上手く差別化を図っている病院があるわけです。
多くはありませんがクリニックでもそのような看板を掲げるところも出てきています。
 
 
児童・思春期の患者様がいらっしゃっても、それを十分に受け入れられる医療機関が少ない、もしくは偏っているというのが現状だと思います。
指定医を目指す先生、既に指定医をお持ちの先生におかれましては、本来であれば児童・思春期の患者様を直ぐに診れる状況や患者様が近くにいる状況だと言えます。
 
今後この症例の患者様に対する見方、受け入れ方は精神医療全体で考えていく事も必要だと思われます。