精神科の先生方にとりまして身体合併症の患者に対する身体対応というのは
診察をしていく中で一つのポイントになる部分ではないかと思います。
 

今までに対応させて頂いた先生方からも様々なお話をお伺いさせて頂く機会が
ありましたが、本音ベースでご意見をお伺いさせて頂いた限りでは、
出来れば身体対応は避けたいとお考えの先生の方が多いようです。
 

一方、医療機関側は精神科の先生方に対して、どのような期待感を持っているのか
と言いますと、当然、精神だけではなく身体の対応も診て頂けるような先生に
ご入職して頂きたい、というように考えている医療機関が多く存在します。
 

※とは言いましても多くの精神科単科病院では精神科の先生方のご意向をくみ取り
内科の医師を採用して精神科の先生方の負担を減らすような努力をされている所がほとんどです。
しかしケアミックスの病院で認知症患者の多い病院やリエゾンで精神科医師の採用を
検討しているような病院では、上記で記載したような精神科の先生方の本音に
気が付いていない所も多いようです。
 

その反面、一部の精神科単科病院の中には身体合併症を持つ患者については、
基本受け入れしないという方針の所も存在しております。
その意図としては「精神科は精神を診る分野であり、身体対応に時間を掛け過ぎると
本来あるべき精神の治療がおろそかになってしまうため」という考えを
お持ちになっているようです。
 
このように双方の意見を持った医療機関が存在しているくらい、
このテーマに関しては、どちらが正しいのか間違っているのかに関しては
今すぐに答えを出す事はとても難しい問題となっております。
 

 
ただし世の中からのニーズとして身体への対応も求められてくる事になれば、
それに対応出来るような準備をしておく事は大切な事かもしれません。
それが今後の世の中を生き残る術になるのかもしれません。
 
今すぐに生活環境を変える事は大変難しい事なのかもしれませんが、
知っているのと知らないのとでは大きな差になってしまいます。
是非、上記のような事を意識しつつ、今後の行動指標にして頂ければ幸いです。