経営と医療の考え方の差について

 

先日、私共の方で、ある精神科の先生のご案内をさせて頂いていた時に出て来たテーマについて考えてみたいと思います。この先生ですが現在は精神科単科病院にて常勤としてご勤務をされていますが近い将来、クリニックを開業してみたいという考えをお持ちでした。そのため今の段階からクリニックを開業した時に、どんな方法でクリニックを運営していけば上手くいくのかについて日夜考えているという事でした。
 

 
やはり一番の悩み事はどうやれば収益を上げられるか、という事になりますが、この点に関しては先生の頭の中で「これだ!」というような明確な回答が見いだせていない状況のようでした。それもあって実際に開業する踏ん切りがつかないというのが先生の本音のようでした。
 
確かに経営が絶対に成功する法則を編み出せば、それに越した事はありませんが、それが出来ないからこそ経営というのは難しい訳です。そこで僭越ながら何かヒントやアドバイスになるようなお話が出来ないものかと思い、以前ある人から教えて頂いたお話を先生にさせて頂いきました。それが以下のような内容です。
「経営を成功させる(収益を上げる)ためには、まずは相手(医療であれば患者、商売であればお客様)を満足させる事(良い仕事をする事)を第一に考えるべきである。満足させる事が出来れば自ずと結果がついてくる。」という内容のお話です。
 
つまり経営を成功させる事を強く考えすぎると多くの場合、相手に対して何かを押し付けようとしたり、強要しようとしたり、駆け引きをしたり、時には騙したりと力ずくで結果を出そうとしがちです。確かに一時的にはそれでも良い結果が出る可能性がありますが本当の意味での解決策にはなっていない場合が多くなります。そこで、まずは一方的な仕事ではなく、相手に満足してもらう事(良い仕事)に力を注いでいれば自ずと結果がついてくる、という事を示しているのです。そうです。それこそが良い結果を導き出す最善の最短の方法という事になるのです。
 
精神科でクリニックを開業する場合、上手く運営していくためには出来るだけ多くの患者の診察を行う事が求められます。そのため出来る限りスピーディーな対応などが求められます。それも一つの方法ですが、その中で更に患者の満足度を上げるために何が出来るのか、その方法を考える事が出来れば、より良い運営が出来るようになるのは間違いありません。下手な戦略などを考える前に、まずは相手を満足させる方法は何か?そこを考える事が最善の成功の秘訣と言えます。患者を満足させるために先生だから出来る事、そこが見つかれば開業までは時間の問題かもしれませんね。