メンタルクリニック譲渡・承継の不安と解消のヒント

 

メンタルクリニックの譲渡を検討する院長先生の多くが感じるのは、経営のバトンを渡すことへの不安です。
具体的には、「引退後の患者さんのこと」「スタッフの雇用は守られるか」「承継してくれる医師/法人の有無」などです。
ただ患者さんやスタッフに配慮した計画、しっかりとした譲渡計画があれば不安は解消ができます。

■なぜ譲渡を考えるのか?
院長先生がメンタルクリニックを譲渡する理由は様々です。
70歳近い院長が体力の衰えや後継者不足、またオンライン診療などの医療環境の変化に対応する意欲の低下から、引退を決断したケースもあります。
また閉院ではなく譲渡を選ぶ背景には、上記のような「長年通っている患者さんや職員を守りたい」という責任感もあり、こういった無形資産を含めてクリニックを残したいという思いがあります。

■患者さんと職員の不安をどう解消するか
<患者の信頼を守る引き継ぎ>
精神科・心療内科は患者さんと医師の相性が治療に大きく影響するため、ドクター交代に抵抗を持つ患者さんは当然多くなります。
このため、譲渡後では売り手である院長が一定期間非常勤で勤務し、患者を徐々に新しい医師に引き継ぐ手段があります。
患者さんに安心感を与えるためには「医師は変わるけれど、これからもここに通える」というような案内だけでは不十分で、買い手医師の人柄や経歴などを紹介しながら三者での引き継ぎ診察を行うのがベターです。
患者の信頼を守る為にも引き継ぎは丁寧に行うのが鉄則です。

<スタッフへの伝え方と雇用継続>
当然ですが、スタッフは「自分の雇用はどうなるのか?」「新しい院長はどんな先生なのか?」と不安を抱きます。
秘密裏に退職活動を始めてしまうケースもあるため、譲渡契約の締結後には承継のスケジュールや後継者の人物像、就業条件を順序立てて説明する機会を作ると良いです。
私どもリノゲートのご支援事例でも、スタッフの不安を和らげるため十分な引き継ぎ期間を設け、新旧医師で説明会のような話の場を作ったケースもありました。
スタッフ全員の継続雇用が実現し、患者から「安心して通える」と感謝された事例もあり、丁寧なコミュニケーションは不安解消に直結します。
譲渡するからと最後を簡易的に済ませてしまうと、先生の積み上げてきたクリニックが組織崩壊を起こしてしまうかもしれないのです。

⇒承継で重視されるのは、「精神科の譲渡では日々の診療が再現可能か」「患者さんの通院が途切れないか」「スタッフが継続勤務をしてくれるのか」といった無形資産をいかに可視化できるかどうかです。
これらは価格が決まる、また譲渡が成立する上で重要な要素になっています。

■ホームページの重要性
患者さんがクリニックを知り、来院するキッカケはホームページです。
「このクリニックは信頼できるだろうか」「この先生は良い先生なのだろうか」とホームページを読み込む傾向があります。
譲渡後は既存患者さんの引き継ぎは重要ですが、新規患者さんの集患も課題となるため、仮にクリニックにホームページが無かったり、更新が何年もされていないような状況であれば、疾患に関するコラムを掲載するなどコンテンツを充実させることも重要です。

■まとめ
メンタルクリニックの譲渡は経営権を移すだけでなく、院長の理念や診療を次世代に繋ぐ大切なプロセスです。
患者さんやスタッフが抱えるであろう不安を解消するためには、十分な引き継ぎ期間と丁寧なコミュニケーション、無形資産の見える化は必要不可欠です。
また、ホームページを通して信頼を可視化する取り組みも、譲渡後の経営安定につながります。
売り手である院長先生、患者さん、スタッフ、買い手の四者がWinになる譲渡を目指していくために、私どもリノゲートのような専門家のサポートを活用するのも選択肢の一つです。

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院長先生の積み上げてきた想いとクリニックの未来を、精神科専門である私どもリノゲートが繋ぎます。