転職をする事が必ずしも答えではない事例(精神科医Y先生の場合)

先日、弊社宛に転職の件でご相談に来られたY先生ですが、それまでご勤務されていた病院を辞めて他の病院に転職する事を考えているとの事でご相談を受けました。
状況について詳しくお伺いさせて頂きましたところ、それまでは週5日でご勤務をされていたようなのですが、体調が優れなかったり、体力的な衰えを感じ欠勤をされる機会が多くなってしまった事もあり、職場から週4日の勤務に減らした方が良いのではないかとの提案を受けられたようです。
同時に勤務日数を週4日に減らす代わりに、それと比例して給与額もカットされるという話に及び、Y先生としてはそれが受け入れ出来ないとの事で、他の病院への転職をお考えになられたという背景があったようです。
つまりY先生としては、勤務を継続していく上で出来れば給与額を下げたくないとのご意向をお持ちになられていたという事になります。
そこで、週4日勤務で今までと同じだけの給与額を提示して頂けるような病院を探して欲しいということで、弊社までご相談を頂いたという事になります。
正直なところ、お話をお伺いさせて頂きました時点で非常にハードルが高い内容であるとの印象を抱いたのですが、私共の方では出来る限りY先生のご希望を叶える事が出来るような病院をお探してみました。

しかし、結果としては該当する病院は一件も見つからないという結果になりました。
見つからなかった最大の原因は、そもそもY先生の給与額は近隣の相場と比べても高い部類の金額となっており折り合いがつかなかった点と、仮に希望額を提示して頂けるという話になったとしても、それ相応の業務内容や業務量をこなして頂く必要があり、今までの職場で対応されていた内容よりも明らかにハードな環境になってしまうという事でした。
これでは体調不良や体力の衰えに対して不安を感じられていたY先生の、そもそもの懸念を払しょくする事が出来ない状況に陥ってしまいました。
そこで、これらの情報を全てY先生にお伝えし、体調面や体力面を重視されるのか、それとも給与額を重視されるのか、どちらか一方を選択して頂くしかない事をお伝えし、最終的なご決断を迫る事となったのですが、最終的にY先生は体調面や体力面を重視され、転職をせずに今までの職場に残り給与額が減る事をご了承され、週4日での勤務を受け入れられる事となりました。

実はこのような状況ですが、ここ最近、同じような場面を何度もお見受けするようになりました。
今まででしたら、先生方がご希望されている内容を医療機関にお伝えさせて頂きますと、それを受け入れて頂ける事も多々ございましたが、ここ最近ではそうはいかない事も多くなってきております。
こういった場面で重要なのが、先生方の中で譲れない物は何か?という事になります。
そこを突き詰めて頂きますと、必ずしも転職をする事が答えではない場合が出てくる場合もございます。
転職についてご検討される際には、そもそも先生方が抱えている懸念事項や不安材料を解決される際の手段として、果たして転職する事が正解なのか、冷静にご判断される事をお勧め致します。