私ども【精神科医の転職相談室】では、先生方から転職のご依頼やご相談を受けた際、給与額についてどのようなお考えをお持ちなのかをお伺いしています。
理由としては、精神科医師を募集している医療機関側が気にするポイント「当院の給与規定に合うかどうか？」があること、また私どもがエリアの相場と大きくかけ離れた額（現実的ではない）かどうかを知る為です。

そして実際、先生方は以下のような考えや希望をお持ちです。
・「現職と同じくらいは欲しい」
・「今よりも高い年収○○○○万円以上」
・「自分のキャリア評価の相場で良い」
・「少し下がってでもやりたい事が出来れば良い」
・「給与に関しては全くこだわらない」
…etc

まず上記のような先生方の考えは大きく分けると2つです。
①「給与額を重視した転職」or ②「給与額は重視していない転職」です。

①の先生方の背景を詳しく伺うと、以下のようなことが見えてきます。
・家族が増える為、収入を上げたい。
・将来の貯蓄・投資をする為。
・住宅ローンがある為。
・ライフステージを上げたい（リッチな生活がしたい等）。

また②の先生方の背景を詳しく伺うと、以下のようなことが見えてきます。
・ライフワークバランスを重視したい為、必要最低限の年収があれば良い。
・給与よりももっと優先するべき条件（やりたい医療）がある。
・高い給与を得てしまうことで変に期待や求められることが多くなりそう。
・長く勤務することを希望している為、入職前に無理に給与を上げるような交渉などはしたくない。

以上のように先生お一人おひとり様々な背景があり、給与に対する考え方は様々です。

しかしながら、給与額に関してはあまり高い額で入職してしまうことで、勤務後のリスクを高めることがあります。
上記①の先生方については注意すべき点があります。
例えば、
■給与額に見合う働き方を求められてしまい、他の在籍医師と比較しても業務量の幅や量が増すということが起こりえる。
■もし仮に再度転職をする時には、同じ条件の医療機関を見つけるのが難しくなってしまう。（そのエリアでの転職は年収を下げざるを得なくなる）

「再度転職をする時は額が下がっても良いので同じエリアで転職がしたい」ということであれば良いのですが、一度給与額を跳ね上げてしまうと、生活レベルまで変わってしまうことも多く、一度上がったレベルを下げるということは非常に難しいように思えます。
当然、ライフステージによっては下げることが出来ないケースもあります。

よって、年収については「エリア相場で転職をするのが良い」という考え方もあります。
※ 精神科医の平均年収（職場のタイプ別・年代別・地域別）については以下の記事で紹介をしております。

＞＞ コラム：【精神科医の給与事情】平均年収や仕事内容、キャリアアップの方法とは？

先生の給与に対するお考えは様々であり、そのご意向を尊重したいという気持ちは私どもも強いのですが、後で苦労をしてしまう様なリスクの高いご希望に対しては、予めリスクを説明をさせていただきたいのです。
実際、これまで私どもへご相談いただいた先生の中にも「今の給与額が良すぎて、環境は今すぐにでも変えたいのに、今の提示額を出してくれる医療機関が無い…」というお話が過去に複数ありました。

転職の際の給与額について「高いのはメリットであり、何のデメリットもリスクもない」ということはありません。
転職をお考えの先生は上記も踏まえ、年収・給与額をよくご検討していただくことをお勧めいたします。

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