新たな職場を探す際に是非ご確認頂きたい事

新たな職場をお探しになられる際ですが、各医療機関の現状について目が行きがちになる事が多いのではないかと思います。
もちろん現状も重要なのですが、それよりも「各医療機関の将来性」について、しっかりとお調べ頂く事をお勧め致します。
今年は以前より囁かれていました2025年問題の当該年という事になります。
更に15年後には2040年問題が掲げられております。
2025年問題は医療・介護サービスの需要増加や人材不足が課題となる一方、2040年問題は労働力不足、インフラ老朽化、社会保障制度の持続可能性など、より多岐にわたる課題を抱える事になりそうです。
こういった背景を考えますと、今後は精神科の先生方が働く環境も大きく変わる可能性が高いと考えており、その変化に乗り遅れてしまう事がないようにして頂くためにも、今から将来の事を想定しつつ、新たな職場探しをして頂く事が重要ではないかと考えております。

では、具体的にどのような事を確認して頂くと良いのかについてですが、その1つが認知症への対応という事になります。
全国どこの精神科医療機関におきましても認知症患者が増加しており、この傾向は今後も続く事が想定されます。
そうなりますと、患者を受け入れる体制が整っているかどうかが大事になります。
認知症患者が多くなれば、内科医のサポートが必要な場面が想定されますが、内科医が在籍しているか否か、もしくはCTやMRIなどの設備面はどうなっているのかなども非常に重要な要素になると思います。

また、人口が減少していくと同時に患者が減少していくことを想定し、今までとは違った方向へのかじ取り、例えば慢性期主体だった医療機関が急性期にシフトしたり、新たに訪問診療を開始したり、専門外来を開設するなど、新たな要素を取り入れる事で新たな患者の受け入れ態勢を整備するなどの動きも重要だと考えます。
このように、時代の流れの変化を想定した策を講じているのか、もしくはこれからシフトしていく予定があるのかが、今後の医療機関の生き残りについて考える際に非常に重要な要素ではないかと思います。

こういった点について面接や見学を実施される際にしっかりとご確認して頂き、腰を据えて末永く勤務する事が可能な医療機関なのか否かをご確認して頂く事が重要です。
これから新たな職場をお探しになられる際のご参考にして頂けますと幸いです。