他科からの転科を希望される先生が多いという事も精神科の特徴の一つと言っても良いかもしれません。実際にここ最近も転科を希望されている複数の先生方のご案内をさせて頂きました。
先日もご説明致しましたが転科の場合、既に精神科での勤務経験がある先生と比べますと、転職を行う際のハードルは高めになります。そのため面接を行う際には採用して頂くためのアピール等をしっかり行う必要が出て参ります。
その際のアピールの仕方として一つ注意して頂きたい事があります。それは「今までの経験を活かしつつ精神科の勉強をさせて頂きたい」というアピールの仕方です。どういうことかと言いますと、例えば元は内科にてご勤務されていた先生が精神科への転科をご希望されたとします。この場合、内科の経験を活かしつつ精神科の勉強をさせて頂きたいという言い方をすべきか否かという事になります。
精神科では身体合併症への対応も必須になります。そのため内科の経験がある先生のお力は非常に重宝されるのは間違いないので、ついつい先生の立場で考えますと内科の面でも対応出来る事であれば可能な限りお手伝いします、くらいの事を言いたくなってしまうお気持ちはよく理解出来ます。
しかし医療機関側の考え方としては、必ずしも内科的なヘルプを求めている場合だけではなく、むしろ転科をするのであれば元の診療科の事はきっぱり忘れて頂き精神科に専念して頂きたいと考えている場合もあるのです。仮に先生ご本人が内科の手伝いをしますと申し出たとしても病院の中にはその申し出を敢えて断るようなところもあるくらいです。
以上のような事を考えますと最も無難なアピールの仕方としては「精神科に専念する」「精神科に転科する事に対し腹をくくっている」事を明確にお伝えする事の方が大事なのです。これから精神科への転科をお考えの先生方、ご自身のアピールを行う際には上記の事を意識して行って頂くのが良いと思います。