以前、とある大手紹介会社の方と、ここ最近の求職者の動向についてお話をさせて頂いた事があります。
こちらの方が勤務している紹介会社というのは、我々のように医療業界を相手に活動しているのとは違い、一般の企業を相手に活動をしている会社になっており、登録に来る求職者は多くは事務系、営業、販売などの人材という事になります。
こういった求職者が、新たな企業を探す際に重視しているポイントについて伺ったところ、一番多いのは「給与などの諸条件（安定性）」が一番多いようで、次いで「企業の将来性」、次に「福利厚生」を重視しているという事のようです。
では、精神科の先生方が重視されている点について考えた際ですが、同じように「給与額」や「福利厚生」に注目されている先生方は過去に沢山いらっしゃいました。
しかし「将来性」を重視されているという言葉は、ほとんど耳にしたことはありませんでした。

実は「将来性」ですが、先生方の転職に関しましても非常に重要なキーワードではないかと考えております。
まず、病院の経営者がイメージしていることがどのような事なのか、それによってその後の病院のカラーは大きく変わります。
分かりやすい形で表現しますと、今までは慢性期の病院だったものが、今後は急性期にシフトしていくことになれば、将来は全く違った病院に変貌する可能性が高くなります。
また経営的な面におきましても、常に赤字を抱えた病院で勤務しているとなれば、先生方への給与支給に関しましても、満足な額を支給する事が出来なくなってしまう恐れがあります。
それが尾を引いてしまい、欠員が出た際に新たな医師を採用したいと考えても、他の医療機関との給与額競争に負けてしまい、良い医師の採用が出来ず負の連鎖などに陥ってしまうような事も考えられます。
このような事にならないようにするためにも、経営がどれだけ健全なのか、将来的に成長の見込みはあるのか、こういった観点で考えますと、医療機関においても「将来性」というのは非常に重要な要素ではないかと考えております。

これから新たな職場をお探しになられる際ですが、「将来性」も一つのポイントとして情報収集をされてみては如何でしょうか。