市中病院の「指導体制」とはどの程度のものか?

 

私共【精神科医の転職相談室】へは、現在指定医を目指している先生、もしくはこれから指定医を目指したいという研修医の先生、精神科への転科をご希望の先生から転職サポートを依頼される事が多々ございます。
「今後は確実に精神保健指定医の取得できる、指導体制のある病院で勤務がしたい。」というようなご依頼です。

実際に私共では、過去に上記のような病院の紹介を行い、その後指定医を取得された先生方は相当数おります。
(「取得が出来る」と謳っている病院であっても、各病院の内情を把握し、指定医の取得が怪しい病院の紹介は避けている為です。)

本日スポットを当てたいのは、指定医取得までの過程の中で「指導体制」という言葉をよく聞く事があると思いますが、ではこの「指導体制」とはどの程度のものなのか?という事です。
また、大学病院での指導は既に研修医時代に受けられている先生方も多いと思いますが、では市中病院ではどうなのか?
そこで実際の市中病院での実情を少しお伝えしたいと思います。

市中病院は、基本的には個々の先生方が個々のお仕事に専念をされている状況です。
当然、指定医の取得出来るような病院では急性期患者様も多い環境下ですので、指導医である先生方はご自身の患者様の事でバタバタとされている事もあるでしょう。
そのような中で非指定医の先生方への指導やフォローというのは、プラスαの業務という事になります。

勿論、過去に指定医を多数輩出している市中病院であれば、病院全体として指定医を目指す先生には指導やフォローを行っていくという風土が出来ていますし、実際に外来は陪席から始めたり、病棟も慢性期の患者様から徐々に担当していただくなど指定医取得までのプロセスが出来上がっているケースが多いです。
中には定期的に症例検討会を院内で行なっているという病院もあるでしょう。
しかし、先程お伝えしましたように上の先生方が行う指導やフォローはプラスαの業務です。

そのような環境下の中で、もし指定医取得を目指している先生が「指導してもらえるのを待っている。」「教えてもらえるのを待っている。」というお考えあるようでしたら、お考えが少々甘いかもしれません。
少なくともそのようなお考えは初期研修までであり、教育してもらえるのを待つというより、先生ご自身から上の先生方や担当指導医へ「●●●のようなケースの患者様はどうしたら良いか」「(自分ならこうすると思うけど)このようなケースはどのように対処したら良いですか?」等、質問をしながら吸収していく姿勢が大事です。
(このようなお考えは、仮に大学病院のような環境でも重要です。)

普段フォローや指導はあっても、上の先生方もご自身のお仕事がありますので、聞かない事には教えてくれない事もあると思います。
聞かないと損というくらいのお考えを持っていただいた方が、確実にご勤務の中身も早く吸収出来る事は確かです。

実はこのようなお話は、実際に指定医の取得実績が豊富にある病院の院長先生が採用面接の際に仰るケースもあります。

本日は市中病院の例を挙げましたが、結局のところこれは大学病院であれ市中病院であれ、どのような環境下におかれましても上記のような姿勢は重要かと思います。
「能動的に動く」是非これを念頭に置かれながらのご勤務をお勧めいたします。