私共が精神科専門なワケ

 

先生方から「なんで精神科専門なの?」と聞かれる事がよくあります。

単純になぜ?という事もあるかと思いますが、
そもそも医師という業種に絞っているのに、そこからさらに精神科に絞り込むのは「対象の医師がさらに少なくなるし、良い事ないでしょ」と思われがちです(苦笑)

ただ、そこには私共の強い想いがありました。

遡る事10年以上も前、
実は、元々全科目の先生方から転職のご相談をお受けしておりました。
内科も外科もリハ科も皮膚科…etc、そして精神科も、全科目の先生方の転職コンサルをさせていただいておりました。(一人の転職コンサル・一つの紹介会社が全ての科目を担当する、それが当時、医師の転職業界の通例でもありました。)
それなりの実績も積み上げていましたし、先生方から感謝のお声を頂く事も実際に多かったです。
まさに順風満帆でした。

しかし実績を上げれば上げるほど、ある事に気付いてしまいました。いやむしろ気付いていてずっと目を背けていたに近いかもしれません。
それはどうしても全科目を対象としていると、科による知識の偏りや得意・不得意が出てしまっていた事でした。
これは転職コンサルをやっている以上、正直公にはしたくありませんでしたが、本当の事です。

さらに業界の中には、転職コンサルと名乗っていても、(医療知識の奥深さ故に)ほぼ医療知識を持たず、先生方の希望給与・当直・立地 等の上辺だけの条件だけをマッチングするような方々が業界内には数多くいたのです。これはもはや転職コンサルではありません。
結果的に、転職は先生方の人生のターニングポイント、一大イベントであるにもかかわらず、医療機関の内部事情などはよく知らずに、転職先を決めてしまう先生方が多かったのです。

当然、先生方はせっかく転職をしても、いざ勤務が始まると
■ 実は見学や面接時には見えていなかった医療機関の内部事情や問題があり、その問題に堪えられず早期に辞めてしまう先生方
■ その病院で想定していたキャリア形成を図れず、悩み続ける先生方
という入った後に後悔するという失敗ケースが業界内にはあまりに多かったのです。

当時のこのような医師の転職業界の実情・レベルに失望をしました。
また同時に、
「日々進化していく医療業界で、豊富で幅広い医療知識を持つ先生方でさえ、そもそも各専門科目に分かれているのに、そのような中で私共があっちこっちと各科の先生方からのご相談の度に科目をコロコロと切り替えていては、本気で先生方と向き合えないのではないか?先生方に失礼なのではないか?」
という疑問も生まれ、日に日に大きくなっていったのです。

そこから半年ほど経った頃には「1つの科を専門とした本当のプロの転職コンサルが絶対に必要である」という強い決意に変わっていました。
そして2014年2月に会社を立ち上げ、【精神科医の転職相談室】をOPENさせたのです。

もう10年が経ちますが、社内のコンサル間では毎日毎日、精神科のホットな情報が飛び交っています。
私共も本当に精神科専門とは正にこの事だと実感しています。

ちなみに各科がある中で精神科を選んだのは、
今の臨床研修制度に例える訳ではありませんが、全科目の転職コンサルを行う中で、精神医療に一番興味があった事、たまたま精神科の先生方を対応させていただく機会が比較的多かった事、そして当時は精神疾患が5大疾病の一つとなったばかりで、様々な社会問題を鑑みても、精神疾患と向き合わなければならない時代に突入しており、精神科の先生方はますます必要とされるべきだと、日々多くの医療機関と接点を持つ中で強く感じたからでした。

正直なところ、上記のような医師の転職業界全体の体質や状況を大きく変える事は容易ではありません。
しかし私共の目の前にいる先生方、ご縁を頂いた先生方には転職を通して、またご相談を頂く事を通して本当に幸せになっていただきたいと本気で思っています。

これが精神科専門とした理由であり、私共の強い想いです。