本日は精神科の当直について、スポットを当ててお話をさせていただきます。
医師3年目から精神科に進む事をお考えの先生や比較的お若い転科希望の先生から、当直免除のご相談を頂く事が時々あります。
お話を伺いますと「負担が軽い方が良い」や「当直は出来ればやりたくない」と言った内容を伺うのですが、このようなお考えがある先生は、今後もし本当に精神科医として働くのであれば、よく考える必要があります。
基本的にこれから精神科をお考えの先生方が当直をしないという事は、ご家庭のご事情など余程のご事情がある場合を除き、お勧めは出来ません。
何故なら、精神保健指定医取得までの3年間は、精神科医としての土台を築く上で非常に大事な時期だからです。
当直帯には自院でどのような疾患の患者様が入院をされているのか?、夜間帯で来る患者様はどのような方が多いのか?、どのように対応したらよいのか?等を知ったり、体験出来たりするご経験を逃す事になります。
また、実際の指定医の症例集めの際にも、その分早く症例を集められるというメリットもあります。
以上の事から、むしろ「入りたい!」という気持ちが大事です。
実は医療機関側もこれから精神科に進む先生を採用する際に、当直をしないという先生はその段階で応募をお断りしているケースも多いです。
それは医療機関側が上記のような経験が若い先生には重要だというお考えを持っている事と、既にご勤務している先生方が当直を行なっているにも関わらず、新入りの先生が当直をしない、当直をする姿勢が見られないというのは、組織の意識バランスが崩れるからです。
そうは言っても、初期研修時代のような当直は正直もう出来ない…、身体科で勤務していたような救急対応はもうしたくない…というお考えの先生もいらっしゃるかもしれません。
(精神科が決して負担が少ない科であるという意味合いではなく、)精神科当直につきましては、基本的には救急車が数多く来て寝れないという事はございません。
勿論、三次救急のような有名な超急性期の病院であれば話は別ですが、基本的には初期研修時や身体科の時の当直とは違います。
実際に精神科に進んだ先生方や転科をなさった先生方仰るのは「初期研修時や身体科の当直よりもよく寝られる」という事です。
患者様の急変自体はあまりないのですが、病棟をラウンドしてもらい、当直室に戻って、寝たりご自身の時間に当てるというイメージです。
勿論、常に指定医の先生のバックアップ体制がある中での当直となります。
以上の事や当直代は別途支給されるという事もあり、精神科当直についてはむしろ希望して入っている指定医の先生や非指定医の先生もいらっしゃいます。
そのような事があり、実際に当直枠に入れるかどうかもありますが、最初から当直は免除が良いというお考えはお勧め出来ません。
これから精神科へ進む事をお考えの先生方は、僭越ながら当直帯の時間帯も必須の経験という事をご理解いただけますとよろしいかと思います。