急激な給与アップは手放しで喜べる事なのか?

先生方の過去のご経験の中で、職場から急激な給与額アップのお話を提示されたようなご経験はございませんでしょうか?
過去に私共の方でご案内させて頂きました先生方より、給与額の大幅アップにまつわるご経験として、以下のようなお話をお伺いさせて頂いた事がありました。

①【退職申請をした際に職場から引き留めにあい、その時に大幅な給与アップの提示を受けたK先生のお話】
当時ご勤務されていた職場に退職の申し出を行った際、職場からはどうしても辞めないで欲しいとの引き留めにあい、その際に現状の給与額に対し500万円を上乗せした金額を提示された、というようなお話です。
実はK先生ですが、より条件の良い病院へ転職したいと考え転職についてお考えになられていたようなのですが、そこに来て500万円アップとのお誘いを頂き、そのお話に乗られたようなのです。
そのまま職場に残り勤務を継続する事になったようですが、そこから先、大変な思いをされてしまったようです。
職場からは慰留の条件として給与額アップの提示を受けたはずでしたが、いざ残留してみると給与額がアップした事に合わせて普段の業務量であったり責務が一気に増えてしまったようなのです。
病院側の言い分としては「給与が上がったのだから、その分だけ働いて頂くのは当然である」という事だったようです。
結果的に給与額はアップしたものの、それ以上に厳しい環境下に追いやられてしまったという痛い経験をされたようです。

②【給与アップの交渉を行った結果、希望していた額に上げて頂けたのは良かったものの、その後に痛い目に合われたS先生のお話】
S先生ですが30代とお若いながらも既に指定医をお持ちになられ、当時の職場では率先して他の先生方よりも多くの業務をこなしておられたようです。
しかし職場側からは昇給などの話が出てくる気配もなく、職場側に上手く利用されているような感覚に陥ってしまい、ある時、職場に対して強気に昇給のお願いをされたようなのです。
すると交渉の結果、先生がご希望されていた金額まで一気にアップして頂ける事になったようです。
S先生としては、この内容であれば、しばらくはこの職場で働き続ける事が出来るだろうとお考えになられていたようです。
その後も勤務を継続し昇給して頂いてから半年程が経過した頃、別の先生が退職される事になり、その先生が担当されていた患者をS先生がメインで引き継ぐ事になったり、その他の職務についてもS先生に委任される事が多くなってしまったようなのです。
その量は他の先生方の業務量の倍近くに上り、流石に耐えかねる厳しい状況になり転職について考え始めたようなのですが、S先生が職場から頂いていた給与額は、相場の金額をはるかに上回っており、転職すると軒並み給与額が下がってしまう事が判明しました。
だからと言って、そのまま職場に残るというのも酷な状況であり、逃げ場のない八方塞の状況に陥ってしまったという事で大変な思いをされたようです。

このように急激な給与額アップというのは、手放しで喜べる事だけではないのです。
理由や背景に関わらず、このようなお話が舞い込んできた際には、安易に受け入れるのではなく、その裏に潜んでいるリスクなどについても、しっかりと想定されてから、お話をお受けする方が良いと思います。
是非お知りおき下さいませ。