面接前後の条件交渉について

 

現在、私共【精神科医の転職相談室】では、今年の夏~秋頃の比較的近い時期に転職を希望されている先生方とも日々やり取りをしております。
そんな中で先日実際にあった事例を本日は紹介をします。

K先生からは事前に以下のようなご希望を頂いておりました。
(他にも詳細のご希望はありましたが、ここでは大まかな内容のみとしています。)

①「指定医として今後も幅広い疾患の患者様を診ていきたい。」
②「可能であれば認知症や思春期、もしくは依存症などサブスペシャリティが身に付けられるような環境が良い。」
③「週4日勤務で当直は月2回までに抑えたい。」
④「給与面については、当直代は別途で1500万円以上欲しい。」

そこでK先生へ、ご希望に該当する病院の求人を提供しようと、私共担当コンサルタントから各病院へ条件の交渉をする事になりました。
まず①②について、先生のご希望エリアでは実際に叶えられる病院は複数あり、問題ありませんでした。
③については、それら候補の病院に対し交渉を行なったところ、3件の病院でご希望が通りました。

残るは④のみです。
しかし先生のご希望エリアでは、この金額の提示が相場的にギリギリのラインだったのです。
案の定、3件中1件で話は通りましたが、残り2件の病院では面接次第という回答でした。

当然、医療機関側に確認や交渉をし、その条件がクリアしてから先生を面接をお連れする事が基本です。
しかしご希望の条件・内容によっては、面接後に交渉をした方が良い結果を得られる可能性が高くなるものもあります。

上記の例がまさにこれで、事前にどんなに交渉をしたからといって、先生のご希望が相場的にギリギリのライン、もしくは高いのであれば、病院側もお会いもしていない段階の先生に対し「〇〇〇〇万円はOKです!」という事は言えないのです。
「このくらいまでは出せるかもしれないが、後は面接次第。」というのがお決まりのパターンです。

先生が希望する条件によっては非常にナイーブなものあり、無理に面接前に交渉をし過ぎてしまうと、心象が悪くなり「その時点でお断り!」なんて事も起こり得ます。
しかし面接での先生の人物評価が高ければ、当初からご希望であった条件や病院側が渋っていた条件など、あっさりクリア出来てしまう事もあるのです。

実際にK先生は、事前に給与条件の通っていた病院と面接次第という病院の面接へ行き、最終的に後者の病院側からも希望条件クリアの内容を頂き、後者の病院への入職が決まりました。

このようにご希望の内容次第では、条件交渉のタイミングを面接後にした方が良いケースもあります。
事前の条件だけでは決めてしまっては、勿体ないケースがあるのです。
(他にも院内の内情や面接してみない事にはわからない病院の雰囲気やカラー、まさかの発見などもあります。)

私共はご転職に向けて先生方のお話・ご希望をしっかりと伺い、転職成功へのシナリオを日々考えております。
今後ご相談を頂く先生に関しましても、是非成功シナリオを考えさせていただければと思っております。