給与額についてのもう一つの考え方

新たな職場をお探しになる際ですが、少しでも給与額が高いに越した事はないと考える事は誰しも思う事ではないかと思います。
また最終的に複数存在している医療機関の候補の中から最も給与額が高い所を選択するというのも一つの考え方ではないかと思っています。
しかし給与額というのは、入職した当時の金額がそのまま続いていく訳ではなく、昇給して頂く事でベースがアップしたり、職場の業績が良く利益が多く出た際には賞与として支給して頂けるような事もありますので、収入は時間の経過と共に変化する可能性が高いという事も視野に入れておく必要があるのではないかと思います。
つまり給与額というのは一時の金額だけで判断するのではなく、長いスパンで極端に言えば一生涯でどれだけの収入を得る事が出来るのか、こういった事を視野に入れつつ考えて頂く事も非常に重要ではないかと考える次第です。

昇給や賞与については、どのように金額が決定されるのか、どういったタイミングで行われるのか、評価基準はどのようになっているのか、、、など、それぞれの医療機関によって扱い方が大きく変わってきます。
昇給に関しては定期的に確実に金額がアップしていく方が良いと思いますし、出来れば上がる金額幅が大きい方が良い訳です。
賞与に関しても同じで、出来る事であれば毎回確実に支給して頂けるに越した事はありませんし、支給して頂ける金額が大きい方が良いに決まっています。
ただし昇給や賞与というのは、医療機関全体の業績や先生方個々の働きぶり、世の中の情勢など、様々な要素が絡み合って決定されるものです。
つまり昇給や賞与は必ずしも約束されたものではない、という事も念のため頭の中に入れておく必要があります。
実際にここ直近の例で言いますと、コロナ禍の影響で外来や入院患者が減ってしまった医療機関では一時的に昇給や賞与がストップした所もあったようです。
こういった可能性はどこの医療機関でも企業でも抱えている問題だと思いますので、過去の実績がどうだったのか、今後の見通しはどうなのか、こういった部分にまでしっかり目を向けて頂き、ご自身の収入について確認して頂けると良いと思います。

転職活動を行っている際ですが提示された金額が他の医療機関よりも高いと、それだけでとても魅力的に見えてしまう事もあるかと思います。
しかし上記のように昇給や賞与の事を考えますと数年後には給与額が逆転してしまうような事例も出てくるのでしょうし、生涯で頂ける金額で比較すれば初めは低くても昇給や賞与の内容次第で後々大逆転する事もあり得るのです。
特に長く働く事を考えますと、こういった事例が生じてくる可能性も十分にあり得ますので、長い目で見てどこが良いのか、こういった考え方も非常に大事ではないかと考えております。