精神科医の転職支援で重要なこと――先生の希望と医療機関の認識のズレを防ぐために

先日、弊社にご相談に来られたO先生から、転職活動にまつわるお話を伺いました。
O先生は、弊社にご相談いただく前に、別の紹介会社を通じて転職活動を進めておられたそうです。
しかし、いくつかの事情が重なり、最終的には医療機関との話がまとまらず、破談になってしまったとのことでした。
そうした経緯から、今後の転職活動についてお困りになり、弊社にご相談いただいたという背景がありました。

そこで、具体的にどのようなことがあったのか詳しくお話を伺ったところ、O先生ご自身が希望されていた働き方と、紹介会社が医療機関に伝えていた内容との間に認識のズレがあり、それが結果的に大きな問題につながってしまったことが分かりました。
O先生は、もともと内科で勤務されていたご経験があり、その後、精神科に転科され、すでに精神保健指定医の資格も取得されていました。
こうしたご経歴から、内科診療にも一定の対応が可能な先生ではありました。
しかし、O先生が希望されていたのは、あくまでも精神科医として勤務することでした。
ところが、以前利用されていた紹介会社は、O先生について「内科対応も問題なく可能」という認識で各医療機関に紹介していたようです。
そのため、実際に面接に伺った際、医療機関側から「内科診療にも力を入れていただきたい」といった要望が出てきたとのことでした。

もちろん、O先生としても、可能な範囲で内科診療をお手伝いするお気持ちはありました。
しかし、医療機関から求められた内容は、ご自身が想定していた範囲を超えるものでした。
その結果、双方の希望や認識をすり合わせることができず、最終的に話がまとまらなかったそうです。

今回の事例では、紹介会社による事前のヒアリングや、医療機関への情報共有に課題があったと考えられます。
それに加えて、精神科へ転科された先生方を含め、精神科で勤務されている先生方が、どのような思いや希望を持って転職活動に臨まれているのか。
その点を十分に理解することも、非常に重要だと感じました。

精神科で勤務される先生方にとって、内科診療への対応がどの程度求められるのかという点は、勤務先を選ぶうえで重要な判断材料の一つです。
単に「内科対応が可能かどうか」を確認するだけでは、先生が本当に希望されている働き方を理解したことにはなりません。
どの程度の対応であれば可能なのか、どのような業務を希望されているのか、そして今後どのようなキャリアを築いていきたいのか。
こうした点まで丁寧に把握し、医療機関側にも正確に伝えることが大切です。

私共は、単に求人をご紹介するだけの転職支援ではなく、精神科で勤務される先生方ならではの事情やお気持ちを理解し、細かなご希望にまで目を向けた支援を大切にしたいと考えております。
これからも、先生方が安心してご自身の希望に合った転職を実現できるよう、精神科医療の現場を深く理解し、先生方の「痒いところに手が届く」転職支援を目指して取り組んでまいります。