50代・60代で直面する壁。精神科医が「末永く現役」を貫くための2つの戦略

ここ最近、当コラムでも「精神科医の転職事情が大きく変わり、以前と比べて転職のハードルが上がっている」というお話を何度かさせて頂きました。
このような状況下では、いかに優位に転職活動を進めるかを考えることが、今後のキャリアプランにおいて非常に重要です。
しかしそれと同時に、もう一つ極めて重要で、慎重に検討すべき選択肢があると考えております。
それは、「一つの職場で腰を据えて、末永く勤務する」という道です。

実際、ここ最近弊社に転職相談を寄せられる先生方の多くは、50代後半以上のベテラン層です。
精神科は他の診療科に比べて息の長い活動がしやすいと言われており、実際に70〜80代で現役を続けられている先生方も多数いらっしゃいます。
そのため「定年後も長く働きたい」と希望される先生が多いのですが、多くの医療機関では60歳から65歳を定年と定めています。
そのタイミングで一度職場を退くことになり、新たな勤務先を探してほしいというご相談を頂くケースが後を絶ちません。

しかし、いざ求人探しを始めてみると現実は厳しく、先生方のご希望通りに転職が進まないケースが非常に多くなっているのが実情です。
こうした事態を避け、同じ職場で腰を据えて末永く勤務するために必要なアプローチは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、そもそも定年を設けていない医療機関を選ぶこと。
医療機関の中には定年を設けず、健康面に問題がなければ継続雇用する方針のところも存在します。
早い段階でこうした職場に身を置いておくのは有効な戦略です。

2つ目は、医療機関との間に強固な信頼関係を構築すること。
言い換えれば、「この医療機関に欠かせない存在になる」ということです。
深い信頼関係を築くことができれば、仮に定年制がある職場であっても、嘱託医や別の形での継続雇用など、働き続けられる環境を用意してもらえるケースが少なくありません。

今後、人口減少に伴い患者数が減少すれば、それに比例して精神科医のポストも減少していく可能性があります。
すでに現時点でも市場の厳しさは増しており、少しでも早めに手を打っておくことが将来の明暗を分けます。
目先の転職市場だけでなく、中長期的な視点でご自身のキャリアプランを再検討してみてはいかがでしょうか。