既に病院とクリニックの双方でご勤務経験がある先生におかれましては御周知の事かと思いますが、
病院とクリニックではいらっしゃる患者様の重症度や質が違います。
もし今後、ご転職の際に
「これまでは病院勤務であった為、クリニック勤務は初めて」という先生がいらっしゃいましたら注意するべきです。
病院とクリニックの在り方については(御周知の通り)、
病院は入院をする為の施設であり、クリニックは主に入院まではいかないような患者様が多くいらっしゃる施設です。
国としても外来患者様はまずはクリニックに行っていただくような方向性を打ち出しています。
では外来の質について、
病院の外来は比較的入院を必要とする患者様が来ますので、お一人の患者様に割く時間が比較的かかります。(児童思春期の患者様はさらに時間が長くなる傾向にあります。)
これは急性期の病院であればあるほどです。
そもそも病院へはクリニックからの紹介もあるほどです。
またクリニックは比較的軽症の患者様が多いです。
つまり、患者様の症例の重度が違う事から、
病院の外来数とクリニックの外来数を単純に数だけで比べてはいけないのです。
同じ数でも外来にかける時間や負担が違うのです。
クリニック求人に外来60名程/日という表記が見られる事もありますが、病院ベースに考えてしまうととても診れるような数ではありません。
また逆も然りで、病院求人に外来1コマ10~20名程という表記が見られる事もありますが、クリニックベースに考えるのはよろしくありません。
ご転職の際に、特に病院勤務→初めてのクリニック勤務となる場合、おかしな勘違いを生んでしまう事があります。
「え、こんなに患者様を診なければならないの!?」・・・ではないのです。
またクリニックの場合は入院施設ではない為、ある程度以上の外来数を診なければ経営が成り立ちませんので、勤務していただく先生方には外来数を増やしていただきたいとの意向がより強いのです。
病院とクリニックの業務負荷を比較するには、単純に数だけの判断はよろしくありません。
どのような患者様がいて、どのような医師体制・コメディカル体制なのか、初診はコメディカルがどこまでやってくれるのか など様々な観点から比較をしなければなりません。