本当に良い職場か否かは1年先に分かります。

 

これは精神科の先生方に限ったお話ではありませんが、過去に私共の方でご案内してきた
転職希望者の経歴を見て驚かされる事があります。
それは1年も経過していない短期間の間に転職を繰り返している人が意外多い事です。
それぞれに転職した理由や言い分は存在するのだろうと思いますが、流石に1年未満で
転職を繰り返してしまうというのは考えものです。

 

このように転職を繰り返されている人に、その理由をお伺いしてみますと、
その理由として確実に返ってくるのが「職場に何らかの不満がある」という事です。
確かに実際に入職して勤務開始してみなければ分からない事も多く、いざ入職してみたら
当初考えていたものとは違っており不安を感じて退職するというのも全く分からない
という事でもありません。

 

しかし、ここで一つだけお伝えさせて頂く事としましては、その職場の本当の良し悪しは
数ヶ月単位では見えてこない事も多いという事です。つまり判断を早まっている可能性が
あるという事になります。

 

実際にあった話ですが、いざ入職してみたら当初聞いていたよりも身体合併症患者への
対応が多く精神科医として活動する機会が少なく入職前と大きくイメージが違っており、
この病院は合わないという事で入職早々に転職したいとの相談を受けた事がありました。

 

 

実際に現状だけ見てみると身体合併症の対応は多くイメージとは違っていましたが、
実は病院側もその状況を理解しており1日でも早く先生の負担を減らせるように
早急に内科医の採用が出来るような対応を行っていました。

 

実はこの先生が入職する直前に内科の先生が退職してしまった背景があり、
正にその悪影響が出ていた状況だったのです。入職したばかりの先生からすれば、
常にこのような状況なのかと考えてしまいがちですが、実はそうではなくて、
一時的にこのような状況になっていただけなのです。そしてすぐに内科医の採用が決まり
先生が心配していた環境は改善される事になり結果的に転職しなくて良かったというような
事例もございます。

 

このような事も考えますと本当の職場の姿が見えるまでには最低でも1年は掛かると
考えております。一年かけて一通りの流れを見る事で職場の体質や考え方、人間関係など
様々な物の本質が見えてくるのではないでしょうか。それらを確認した上で、
残るべきか、やはり別の所に転職すべきなのか考える事も大事ではないかと思います。