精神科医が採用面接で受けた質問集 ~~質問の意図や準備のポイント~~

 

精神科医の採用面接では、応募者である先生が医療機関から確認事項として質問を複数受けます。
中にはその質問がより具体的かつ深掘りされるようになり、単なる形式ではなく、応募者である先生の価値観やコミュニケーション力を見極める場にもなっています。
そこで今回は過去数百名もの先生方の面接同行をしてきた私どもの経験をもとに、精神科医が採用面接で病院側から実際に受けた質問と、その背景・対応方法を整理したいと思います。

~~面接で病院側からよく聞かれる質問~~

■転職理由と志望動機
採用面接では「前職を退職した理由」「なぜ転職を検討しているのか」「なぜ当院に興味を持ったのか」といった質問が多いです。
従来は表面的な質問が中心でしたが、医療機関側は採用するからには長く働いてほしいという想いから、医師の本音や適応力を確かめるために深掘りした質問を行う傾向が強まっています。

退職理由:
長期的に働ける人材かどうかを判断するため、前職を辞めた理由が聞かれます。
過酷な労働環境や人間関係といったネガティブな理由はある程度に抑えながら、キャリアアップやスキルアップなどポジティブな要素に変えて説明するのがポイントです。
前職の悪口をそのまま話すと「悪口を言う人=印象が悪い人」と受け取られる可能性があるため、注意です。

志望動機:
応募先への熱意や将来性を問う質問です。可能であれば志望動機は「応募先でしかできないこと」を軸に組み立て、結論・具体的な理由の順で答えることが分かりやすく効果的です。
精神科の場合は「慢性期医療に腰を据えて取り組みたい」「在宅医療や児童精神医療を積極的に行っている点に共感した」など具体的に述べ、先生ご自身のビジョンと結び付けて話すと説得力が高まります。

■現職の業務内容と貢献度
精神科医の採用面接では経験した症例や担当患者数など実務面の質問も多いです。
医療機関は即戦力かどうかを見極めるため、「これまで担当してきた病棟患者数」「外来のコマ数や症例数」「慢性期か急性期か」といった具体的な実績を聞くことがあります。
応募先の病院が求めるスキルや患者層に合致しているかを判断するため、経験した疾患や得意分野を簡潔にまとめておくことが重要です。

■他院の応募状況と志望順位
複数の医療機関に応募している場合、他の病院の応募状況を聞かれることがあります。
これは応募医師の志望度などを確認するための質問ですが、他院についても面接を受けているようであれば正直に伝えるべきです。
転職活動は慎重に行うからこそ他院との比較検討は当たり前であり、先方もよく分かっていますので、「貴院が第一希望の為、貴院しか面接は受けていません」というご回答には無理が見えることもあります。(偽りなくその通りであれば問題ありません)

■ストレス耐性
ストレスへの対処法について趣味やリフレッシュの手段について質問されることはあります。
精神科はその特性や疾患から患者さんやそのご家族と長期的なお付き合いとなり、時にストレスや負担が多くなることも出てきます。
休日の過ごし方や趣味に関することを楽しくお話される先生は、ストレス耐性があるとみなされ、また人柄も垣間見れるため、採用側としても安心材料になります。

■価値観
今後のキャリアプランや医師を志した理由も聞かれることが多く、患者さんに寄り添う姿勢や長期的なビジョンがあるかを確認されることもあります。
先生のこれまでのストーリーを知ることで人柄や価値観、また自院との相性を見ているケースが多いです。
これらの質問に答える際は、患者支援への思いや将来の専門性向上などの意欲をお話されることが望ましいです。

~~病院への逆質問 – 何を聞けば良いか?~~

採用面接の後半では必ず応募者である先生側からの質問の時間が設けられます。
質問をしないと「本当に当院に興味があるのか?」と疑問視されるため、あらかじめ質問を準備しておくことも大事です。
例えば、以下の通りです。

・業務量や体制に関する質問
・外来のコマ数と患者数、担当病棟の受け持ち患者数・疾患種別
・入院患者の平均在院日数や内科合併症への対応
・連携病院や在籍医師の数・年齢層
・措置入院の頻度や輪番制度の有無、処方薬の種類など

これらの質問により、勤務イメージを具体的に掴み、ミスマッチを防ぐことにも繋がります。
さらに以下のようなことも聞けるのであればベターです。

■将来性と経営方針の確認
面接では現状の待遇や業務内容に目が向きがちですが、将来のビジョンも重要です。
医療機関が高齢化や人口減少の影響を受けて病床削減や経営難に直面しているケースもあるため、「今後どんな医療を行っていくのか」「どのような方向性を目指すのか」といった質問を院長や理事長に直接投げかけても良いです。
組織の将来性や変革への意欲を把握することで、自身のキャリアプランとの適合性を確認できるからです。

■働き方・待遇に関する質問
待遇面の質問は面接官が説明することが多いですが、疑問点は先方に配慮しながら尋ねると良いです。
ただ深く確認しすぎると「条件面だけが気になる先生!?」という誤解を与え、印象が下がるため、私どものような転職エージェント経由で事前に情報収集した上で不足分だけ質問するのがベターです。

~~その他、採用担当が評価するポイント~~

■コミュニケーションと姿勢
精神科医の面接では、円滑なコミュニケーションや協調性も重要視されます。
回答の内容だけでなく、面接官としっかり目を合わせ、明るくはっきりと話せているかが評価対象になります。
面接官は患者への対応力を間接的に見ているため、言葉遣いや態度にも注意が必要です。

■ポジティブな表現と建設的な視点
前職の不満や人間関係のトラブルを正直に伝えることも時には必要なケースもありますが、キャリアアップや専門性の追求など、前向きな理由に置き換えることが重要です。(入職後にミスマッチや先生が肩身の狭い想いをしないために、嘘はNGです)
また、志望動機においては応募先の特色を調べた上で、自分の経験やスキルがどのように貢献できるかを具体的に述べると高い評価を得られる可能性が高まります。

~~近年の面接方法の変化と求められるもの~~

■オンライン面接の普及
新型コロナ以降、オンライン面接を導入する医療機関が増えました。
特に応募者である先生が遠方であったり、採用面接が複数回ある医療機関などでは初回の面接がオンラインというケースも珍しくありません。
もちろん、人間同士の対話でしか伝わらないニュアンスや表情は依然として重要ですので、後日訪問して面接や見学するスタンスは基本変わりません。
しかし、オンライン面接ではカメラ映りやマイク環境を整え、画面越しでも表情や声のトーンが伝わるような工夫も大事です。

■求められる資質の変化
近年は、児童精神、認知症、依存症治療などサブスペシャリティを持つ精神科医に対する評価も上がってきました。
面接では特定の専門分野への志向や今後取得予定の資格について質問される場合もあり、キャリア形成への意欲が評価対象となります。
さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む医療機関では電子カルテやオンライン診療も行なっているため、ITリテラシーを確認されるケースも出てきています。

~総括~~

精神科医の採用面接では、「自院で長く勤務し、活躍してくれる先生を採用したい」という背景が医療機関側にはあります。
先方からの質問や確認の内容も全てこれに通じています。
その中で志望動機や退職理由、現在の業務内容、ストレスへの対処法など幅広い質問が出てくるのです。
そして回答にあたってはネガティブな理由をポジティブな表現に変え、応募先にどのように貢献できるかを具体例で示すことが採用オファーをもらうために重要です。(採用オファーをもらえなければ、検討もできないからです。)
また、面接の後半にはこちらから質問する時間があり、外来数や病床数、連携体制といった業務量に関する質問や医療機関の将来ビジョンを確認することも重要です。
オンライン面接などがあったとしても、人間同士の対話で伝わる信頼感や現場への適応力は変わらぬ評価ポイントですので、相手の医療機関に対し、誤解のない伝え方をすることも採用面接をパスする鍵になります。

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