精神科医の求人票には記載しきれないものがあります。
精神科医の募集をする院長や事務長は「欠員をただ埋めたい」という訳ではなく、診療の継続性・安全性・チームの士気をどう守るか、どう上げていくかを考えています。
それは患者さんへの良い医療提供に繋がるものだからです。
つまり医師の採用は、診療と経営の“要”なのです。
では、精神科医の採用をしている医療機関側は応募のあった先生方と面接という形でお会いした際に、何に期待をして、何に不安があり、どのようなところを見ているのか?について共有をさせていただきたいと思います。
<期待していること>
これは冒頭でも触れましたが、医療機関側の採用の目的は診療の継続性・安全性・チームの士気 等になります。
つまりこれらを維持、もしくは上げていただけるような先生を求めているわけです。
具体的には、以下のようなポイントを確認しながら、最終的に自院が求める先生か、自院の組織文化に合う先生かどうかを見ています。
① 過去の経歴
過去に短期で辞めてしまった医療機関がないか、またその時の理由について確認しています。
自院に来ていただいても短期で辞めてしまうような可能性の高い先生の採用は避けたいという思いがあります。
② 退職理由・転職理由
今回の退職理由・転職理由をお聞きし、(自院で長くご活躍いただく為に)自院でそれが叶えられるのかを確認します。
③ 求める条件
勤務日数、当直の可否、業務内容、患者様疾患、給与額、エリア 等のご希望についての確認と先生自身の将来的なビジョンについても確認しています。
④ お持ちの資格
精神保健指定医、専門医、指導医等の資格の有無を確認しています。
⑤ スキル
どのような病院にて、外来数(再診、初診の患者数)、担当病棟数、疾患幅(合併症含む)、を診てこられたのか確認しています。
⑥ 人柄、コミュニケーション能力
人間性や診療の基本であるコミュニケーション能力について患者さんが付きそうな先生か、また他の先生方とも上手くやっていけそうな先生かどうかを確認しています。
<不安なこと>
これは上記の期待することの逆を行ってしまうケースです。
診療の継続性や安全性が脅かされたり、チームの士気が下がってしまうようなことが、その先生を採用したことによって起きないかです。
具体的には、組織に馴染めず短期で退職をしてしまったり、経験やスキル不足から患者さんとの間でインシデントを起こしてしまったり、他の医師をはじめとする職員に悪影響を及ぼすようなトラブルを起こしたり、、これらが上記のような確認項目によって疑われた先生は、残念ながら採用オファーは見送られてしまいます。
(採用オファーを見送られるケースは全て上記に該当するとは限りません。)
当然、ご経験や人柄の素晴らしい先生であっても、募集をしている医療機関側との組織文化が違うと判断されれば、見送りになるケースもあります。
(この場合は、合わなかっただけで先生側に落ち度は全くありません。)
精神科医の先生方が転職先を決めるのを慎重なように、募集をする医療機関側も実は医師の採用に慎重なのです。
現在、もしくはこれから転職活動をする先生方は参考にしていただければ幸いです。
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