私共は精神科医専門のキャリア支援をさせていただく一環として、メンタルクリニックの譲渡・承継支援も行っています。(https://doctor-seishinka.com/transfer_support)
そのような中で「可能であれば自院を高値で売りたい」というお気持ちは多くの先生方がお考えになる事です。
しかし、譲渡の成功は「いくらで売れるか」だけでなく、「どんな状態で引き渡すか」が非常に重要です。
買い手が評価するのは損益計算書の数字だけではなく、【日々の診療が再現可能か】【スタッフが安心して続けられるか】【患者さんの通院が途切れないか】この三点を“見える化”できる準備が、価格と条件の両方を押し上げます。
1)買い手が見る「三つの無形資産」
・運用の型:初診~再診、紹介・逆紹介、急なキャンセル時の埋め方、クレーム一次対応 等、属人ではなく手順化されているか。
・チーム力:看護・事務・心理・SWの役割と連携 等、引継ぎ後も回る組織か。
・信頼の土台:口コミや紹介元、地域連携の窓口、連携病院とのつながり。評判の持続性が大事です。
2)30日でできる「価値の見える化」チェック
・診療フローの標準化:初診枠の設計、待ち時間の目安、再診の標準枠、オンライン再診の基準 等を運用マニュアルに落とす。
・契約と台帳の棚卸し:家賃・リース・サブスク、電子カルテ、クラウド保存の権限管理。名義変更の難所を先に洗い出す。
・人と労務の整備:雇用契約・就業規則・有休台帳、育休・短時間勤務の運用実績。安心して残る理由を数と書面で。
・医療安全と苦情対応:インシデント記録、再発防止の合意、暴力・自傷リスク時の初動フロー。安全投資は強い訴求点。
・数値ダッシュボード:延患者数、初診率、再診の来院間隔、ノーショー率。運用の健康診断を月次で提示。
3)価格だけでなく“条件”が大事
・緩やかな橋渡し:院長先生の一定期間の伴走(週◯コマ)や後継医採用の支援を条件に入れると、買い手の不安が薄れ価格以外の調整がしやすくなります。
・アーンアウト/評価指標:引継ぎ後◯か月の患者継続率や主要スタッフの在籍率など品質連動の支払いは、双方にフェアです。
・ブランドの守り方:院名・ドメイン・口コミ運用の権利とポリシー。名称変更の是非と時期は早めに合意を。
上記の以外にも大事なポイントはあります。
また情報開示のステップ設計なども重要ですが、このあたりについても私共にご相談ください。
⇒https://doctor-seishinka.com/transfer_support
クリニックの譲渡は「売る」より“渡す”設計が本質です。
運用の型・チーム力・信頼の土台を30日で見える化し、価格と同じ熱量で条件を設計する事をお勧めいたします。
結果として、患者さん・スタッフ・売り手(先生)・買い手の四者Winが実現します。