精神科医が訪問診療で働く際のポイントについて

引き続き、訪問診療を行っている医療機関より、精神科医を採用したいとの事でご依頼を頂く事が多々ございます。
そこで私共としましても、精神科の先生方に対して訪問診療の案件をご紹介させて頂く事も多いのですが、正直なところ先生方の反応としましてはイマイチという事が多くなっているように感じております。
ではなぜイマイチなのか、その大きな理由として3つの要素が考えらえます。

①オンコール対応の有無
訪問診療ではオンコール対応がつきものですが、この対応の有無によって先生方からの評価が大きく変わる事が多いように思います。
ここ最近では、オンコールの対応が必要ない所も多くなっておりますが、今でもイメージが先行してしまっており、敬遠されてしまう事も少なからずあるように感じております。

②残業時間の有無
今まではカルテの記入や書類の管理など、クリニックに戻ってから対応する場合も多く、それなりに残業が発生してしまう事も多かったです。
しかし、ここ最近では電カル(モバカル)を導入している所が多く、車で移動中にカルテの入力が可能であったり、事務員に同行して頂きサポートしてもらえるような事も多くなっています。
そのため残業も少なくなっております。

③内科(身体)対応の有無
ここ最近では精神疾患を患った患者も増えており、精神疾患の対応だけが求められる場合も多いのですが、訪問診療と言いますと、元々は内科をメインに活動されている場合が多く、精神疾患だけではなく、中には身体合併症を患った患者もおります。
このような場合、精神科医にも身体の対応を求められる場合も多く、その点に懸念を示されてしまう事も少なくありません。
しかし、ここ最近では、こういった精神科医のお考えを認識されている医療機関も多くなっており、極力身体対応をしなくても済むような働き方をご提案して頂ける所も多くなっています。
また、時には主治医として対応していた患者の身体疾患が悪化してしまうような事も考えられますが、そのような時には内科医に主治医を交代して頂いたり、精神科医と内科医のダブル主治医制を取るなどの対応を行っているところがほとんどになっております。
こういった対応によって、精神科医の負担を少なくする努力が行われております。

以上のように、少し前に比べて訪問診療の働き方も大きく変わってきています。
改めて訪問診療の求人に目を向けて頂き、世の中からのニーズが引き続き増加している訪問診療にて働いてみる、という選択肢についてご検討頂けますと幸いです。