日々多くの医療機関と連絡を取っておりますと、「専門性のある先生を優先的に採用したい。」という事を時々伺う事があります。
（特に精神科単科病院からこのようなお話を頂く割合が多いです。）

そこで、本日は精神科における専門性についてお伝えしていきたいと思います。

では、この専門性とは何なのか？
御周知の先生も多いかと思いますが、上記の専門性とは精神科症例の事を言います。

例えば、認知症や児童思春期、また依存症 等がよく挙がる専門症例です。
認知症学会や児童精神学会 等の各学会認定の専門医があれば尚良いのですが、専門医が無くてもこれまで専門外来のご経験がある先生や、担当患者様の割合の多くがその症例の患者様であった先生でも十分な専門性として医療機関側は判断します。

よく病院のホームページを見ていても、「児童思春期外来やっています」「もの忘れ外来やっています」等の文言を目にする事もあると思います。
そのような場合、必ずしも各学会の専門医の先生が専門外来を行なっているとは限りません。

ちなみに、採用面接の際に長年精神科医としてご勤務された先生であれば、「先生の専門（強み）の疾患は何なのか？」、また専門とまではいかなくとも「これまでのご経験の中で比較的多く携わってきた症例は何のか？」という事を医療機関は気にされます。
実際に上記の事を面接の場で質問をされるケースもあります。（これはよくあるケースです。）
それは先生の専門性を聞いて、自院の症例患者の割合とマッチしているかを判断しているケースもありますが、専門性のある先生を招聘する事によって、専門外来による新しい病院の看板を掲げようという意図もあったります。
（「当院は児童思春期を強みにしていこう！」「認知症を強みにしていこう！」「依存症の患者様を多く受け入れていこう！」等）
勿論、これは先生ご自身のご希望ありきで進められるお話ですが。

では専門性が特にない先生は、転職時に不利なのかというとそんな事もありません。
上記は、転職において専門性がメリットになる事があるという事です。
ただ今後専門性を求めている医療機関に先生の専門性がマッチした場合、給与条件やその他の条件等がさらに上がる可能性はあります。

以上の事から、指定医の取得後の進路の一つとして、専門性（サブスペシャリティ）を付ける事も良いキャリアの積み方だと思います。
もし専門性のキャリアの積み方について、気になる点やご不明な点がある先生はお気軽にご相談ください。