精神科医の給与は他科と比べて高い?低い?

2年の研修を終えようとしている先生方から、このような相談を頂く事があります。
「専攻科目として精神科を検討しているのですが、精神科医の給与は他科と比較して高いのでしょうか?」

勤務をする上で給与額の高い低いが全てではありませんが、医師として勤務するからには収入面について知っておきたいというご相談はあって当然です。

では勤務医として働いていた場合、高いのか?低いのか?

回答としては、内科の先生方と同等くらいと言えます。
全科の中で外科系(一部の内科系:循環器内科)は精神科より高く、耳鼻科や皮膚科、放射線科、小児科は精神科より下の傾向があります。
これは全国的に見た、弊社データによるものです。

但し、精神保健指定医をお持ちの先生の年収相場は、(社会情勢から)ここ数年で以前よりも上がってきています。
よって今後は高い方の科目としての位置づけになると思います。

実際に、弊社にご相談にいらっしゃる指定医の先生の場合、1500万円~2000万円での転職事例が一番多いゾーンです。
非指定医の先生の場合は1000万円~1300万円程が割合としては多いです。
(ご勤務エリアによってはもう少し上下の振り幅が出る事もあります。)

ちなみに精神保健指定医を取得すると、年収が200~300万円程上がるというデータがあります。 
給与額を気にされるのであれば、精神保健指定医の取得は必須です。

私共は他科の情報収集もしていますので、そのデータと精神科の先生方のこれまでのご転職事例を下に考えますと、精神科医の給与額は中~高に位置する科目と言えます。

以上が冒頭のご相談への回答になりますが、精神科の場合は他科(特に外科系)と比較して大きく違う点があります。

それはオンオフです。
急な呼び出しや日中帯のオンコールは比較的少なく、慢性期の患者様が多い病院であればあるほど、その件数は比例して少なくなります。
民間病院での勤務ではほとんど残業もなく、定時には帰宅する先生が殆どという状況です。

このような事を書いてしまうと「精神科はラク」という勘違いを生みそうですが、オンオフしっかりしていて、プライベートの時間も大事にしたい先生にとってはイメージに近い科目という事が言えます。

科目の選択は、医学的な興味とライフスタイルとのバランスという考え方があると思います。
本日は精神科医師の主に給与面について触れましたが、研修医の方の今後の科目選択、また精神科の先生方におかれましては、現状との比較という意味で参考になれば幸いです。