これは精神科の先生方だけに言える事ではなく、あらゆる人に当てはまる事かもしれませんが、仕事をする事への目的意識には人それぞれ違いがあるのではないかと考えております。
ただし確実に言える事が一つだけあります。それは自身の生活を維持するためであったり、家族を養うために必要な「収入を得るため」という目的です。
当然、同じ仕事をするのであれば出来るだけ多くの収入を得られるに越した事はありません。
そのため先生方の転職の場面においても最も重要な要素の一つとして給与額が挙げられるのです。

 

 

しかし、その時にご自身が置かれている状況によって収入が一番ではなくなる場合も考えられます。
例えば20代、30代の独身の世代が多い年齢層では仕事を選ぶ際に「やりたい事を重視する」傾向が強くなり、「収入<やりたい事」という考え方が強まる傾向になります。
これが40代以上になり世帯を持つ立場の人が多くなると「家族を養うために自分に出来る仕事」を重視する傾向が強くなるというデータがあるようです。

 

これを精神科の先生方にあてはめて考えてみます。
20代~30代の若手の先生方が転職を考える際の理由については
・以前から興味があった精神科で勤務してみたい。
・専門医や指定医等の資格を取ってみたい。
・発達障害や認知症など、これから増えるだろう疾患の専門家になりたい。
・スーパー救急から慢性期まで幅広い経験を積んでいきたい。
・将来、開業する事を目指しクリニックで勤務してみたい、、、など
やはり何かがやりたい、という目的を持っての転職が多いように思います。

 

これが40代以降で既に指定医をお持ちのような経験豊富な先生方になりますと、
・今までに経験してきた経験値をどれだけ評価して頂けるのか。
・家族とのプライベートの時間と両立出来るような環境を探したい。
・定年退職などを視野に入れ高齢になっても末永く勤務出来るような職場を探したい。
・急性期でバリバリ働いて来たので今後は慢性期の病院でゆったり勤務したい。
・今までの経験を活かして院長や副院長など役職として勤務してみたい、、、など
確かに今の自身にとって必要な事、経験してきた事が活かせる仕事などを求める場合が多くなります。

 

これらの事から何が言いたいのかと言いますと、先生方が置かれた立場や状況によっては、やりたいと思っても出来なくなってしまう事が出てくる可能性があるという事です。
分かりやすく言いますと結婚しておらず養うべき家族が居ないがために出来る事があるということ、逆に家族が居れば他にやりたい事があっても自分の思い通りには出来なくなることもある、という事なんです。

 

つまり仕事をする目的と人生プランというのは非常に密接に絡みあっているのです。
「やりたい事」と「出来る事」この二つの関係性について一度思い描いて頂ければ先生方にとりまして納得の仕事観を生み出す事が出来ると思います。
そして、その時、その時にやっておくべき事、優先順位を明確に付けて頂く事が出来れば、先生方の人生プランを考えるうえでも納得のプランが出来上がると確信しています。