精神科の医療現場において、特に精神科病院の場合、電子カルテの普及率はまだまだ低いのが現状です。
しかし私共が普段精神科の病院・クリニックとやり取りをしておりますと、精神医療という特性上から敢えて電子カルテを導入していない医療機関もあります。

 

そこで本日は、精神医療のカルテ事情についてお伝えしたいと思います。

 

大凡ですが、主な理由は以下の6つです。

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① 精神科という特性上、患者様と向き合うべき医師がパソコン画面と向き合いがちになる事を良しとしない。
② 「先生が目を見てくれない」と患者様からクレームが増えるリスクがあり、患者離れを招くリスクがある。
③ 高齢の医師が多数を占める病院は、電子カルテには不慣れでかえって業務効率が下がってしまう。
④ 新システムの導入で在籍の医師から不満を招く事があり、複数の退職者を出す可能性がある。
⑤ 金銭的にすぐの導入は難しい。
⑥ 膨大な量のカルテを電子カルテに反映させるまでの時間と労力を考えると人員的に今は難しい。

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全てではありませんが、患者様の事、医師の体制に影響するからという理由で導入を見送っている医療機関があります。

 

 

 

電子カルテの導入で業務効率を計る事によって、多くの患者様を診る事が出来る=多くの患者様を助ける事に繋がる、というお考えもあるかもしれません。
しかし医療機関によってこのようなシステムの違いがある以上は、紙カルテと電子カルテ双方に対し理解を示す事も重要です。

 

「紙カルテ=考えが古い」という一辺倒の考え方を持つ事はよろしくありません。
紙カルテの病院で医師からの評判も良い病院は数多くあります。

 

こういった医療機関側の事情を先生方にお伝えする事で、普段のご勤務やこれから転職を考える上でも対病院・対クリニックとして変な摩擦が生まれる様な事が無いよう願っております。