本日は「精神科医の募集」というテーマで、
・精神科病院、メンタルクリニックをはじめとする医療機関がどのような視点で医師の採用を考えているのか?
・採用面接において評価される医師とはどのような医師なのか?
・逆に先生が医療機関を選ぶ際には、どのようなことが大切なのか?
これらの内容を先生方に情報共有をさせていただきたいと思います。
■採用側の本音や募集の背景
精神科医の募集を計画している医療機関が採用を行う際、単に欠員を埋めるだけが目的ではありません。
医療機関としては患者さんの治療の継続性、安全、チームの士気を守るために慎重な採用を行っています。
そのため、過去の経歴で短期間で辞めてしまいそうなリスクのある医師を避けたり、院内文化に合わない医師を採用しないよう細かく確認しています。
また、医師の募集は欠員募集だけではなく、増員を図るケース(増員募集)もあり、背景としては、当然患者さんの増加によるケースもありますが、在籍医師の負担軽減が目的というケースもあります。
精神科に関しては特に集患という観点から属人化しやすい傾向にありますし、採用の際には時間やコストがかかることもありますので、医師の定着率を上げるための手段を講じることは重要です。
このあたりの募集背景を知ることで医療機関のカラーや方針が見えてくることもありますので、転職時には確認することをお勧めします。
■採用時の評価ポイント
採用面接では、精神保健指定医の有無などの資格確認や専門分野、業務量、過去の経歴、在職期間、退職理由等を問われます。
長期間働けるかどうか、家庭の事情なども含めて説明できると信頼につながります。
また、希望する勤務条件(勤務日数・当直回数・対応疾患・給与)も重要視されます。
医療機関によって勤務条件は異なりますので、あまりに双方で相違がある場合は、採用を見送られるケースもあります。勿論、先生にとってもそのような医療機関で働くことはよろしくありません。
医療機関が最も重視するポイントの一つは、上記にもある通りやはり精神保健指定医の資格の有無であり、取得の有無で年収などの報酬や役割が大きく変わります。
ちなみに、専門医や指導医資格は付加価値として捉えられますが、現時点で指定医の存在ほど採用の決め手にはなっていません。
■医療機関が抱く不安と文化への適合
医療機関側は採用後の医師が組織やチームにうまく馴染めるかどうかを心配します。
どれだけ経験が豊富な医師でも、人柄や考え方が組織の文化に合わないと判断されれば不採用をになることはあり、特に過去の職場の悪口や自身の希望条件ばかりを言うような回答は、採用側を不安にさせます。
逆に組織としての医療提供に協力的な姿勢や勤務への意欲、新しい環境で実現したいことを前向きに語れる先生は、(弊社の過去の面接同行実績から)良い印象を与えています。
ちなみに、最近ではオンライン診療を取り入れる医療機関も増えてきていますので、そのような医療機関ではデジタルのリテラシーのある先生の方が安心感を与えます。
■病院の「カラー」を見極める方法
応募する側(医師)も、病院の内部を事前にある程度調べておくことが大切です。
面接時に理事長や院長、また事務長が話す内容は、(医師を急募の医療機関であればあるほど)先生にとって基本的に良いお話を出す傾向にあるため、面接という短い時間だけの情報だけで判断するというよりは、その医療機関のコンテクストをある程度知っておくことは重要です。
ちなみに、病院に対し今後の将来戦略や今後の方針についてを質問をしてみるのも良いです。
今後その病院が向かうであろう道が見えてきますし、意外な情報が出てくることもあります。
例えば、慢性期病院だと思っていたら、実は急性期に舵を切る予定など、入職後に起こる「まさか…」は事前に回避するべきです。
求人票だけでは見えてこない内部情報については、その医療機関に詳しいコンサルタントに頼るのも良いかと思います。
■双方の理解が成功の鍵
「精神科医の募集」の裏側には、医療機関側の期待と慎重さがあります。
上記のように採用基準には指定医資格やスキル・経歴だけでなく、人柄・協調性なども含まれます。
転職活動をする際には医療機関側の採用面接は必須になりますので、先生ご自身の価値を明確に伝えながら病院の文化や将来性を見極めることが重要なのです。
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私ども【精神科医の転職相談室】は、精神科特化のコンサルタントだからこそ、求人票には出ないような内部情報や精神科医のキャリアに関する詳しい知見を持っております。
そして、これらの情報を先生方に共有をさせていただきたいと思っております。
もし今まさに転職をお考えであったり、将来的なキャリアについてお考えの先生がおりましたら、以下よりお気軽にご相談ください。
