精神科医の採用面接で重要なポイント(準備・マナー・交渉)について

 

採用面接は、求人情報だけではわからない医療機関の雰囲気や価値観を先生ご自身が知る・判断する貴重な機会です。
精神科医の採用を行う院長や事務長は、多くのケースで欠員を埋めるだけでなく診療の継続性・安全性・チームの士気をどう守るかを重視しているため、応募医師の経験やスキル以外にも人柄やコミュニケーション能力を含めて総合的に評価をしています。
今回は、過去のコラムで紹介された経験と新たな視点も交えて、採用面接でのポイントについて解説したいと思います。

1. 面接前の準備:情報収集とスピード
面接に行く前に、医療機関の内情を知っておくことは重要です。
見学や面接の時間は限られ、医療機関は都合の悪い事を表に出さないため、精神科分野に詳しい内部情報を知るにはエージェントに尋ねるのが近道です。
条件面が良いからと安易に面接を進めるのではなく、病院の方針や文化、現場の雰囲気を事前に確認してください。
また、最近は転職活動にもスピード感が求められています。
休職後にゆっくり応募しようとした先生が、希望の病院の採用枠を他の候補者に取られてしまった事例もあり、早めに相談し計画を立てることも大切です。

2. 面接時のマナー:名刺と第一印象
採用面接で受け取った名刺をすぐにしまってしまうのではなく、正しいマナーは、面接中に頂いた名刺を目の前の机に綺麗に並べておき、座っている順番に並べること
です。
こうしたビジネスマナーは小さなことですが、先生の印象を良くします。
また採用面接ですので、カジュアルな格好は避けるべきであり、夏場は厳しいこともありますが、服装はスーツがベターです(女性の先生はジャケットスタイルでも良いです)。
先生側にも選ぶ権利があるとはいえ、採用オファーを貰えない限り選ぶ権利は得られませんので、これらのマナーも重要なことなのです。

3. 採用側の視点を理解する
医療機関は面接で過去の経歴や退職理由、希望する勤務条件、資格、スキル、人柄を総合的に確認し、自院の文化に合うかを見極めます。
短期離職歴が多かったり、退職理由が曖昧だと継続勤務への不安が高まり、採用見送りのリスクが上がります。
採用面接では、自分の転職理由がその病院でどのように解決できるかを明確に伝え、過去の経験やスキルが病院の課題解決にどう役立つかを先生ご自身で具体的に語ることも重要です。
加えて、患者・スタッフ・チームの士気を守るという病院の目的を理解し、その価値観に共感する姿勢を示すことが好印象に繋がります。

4. NGワードと条件交渉
NGワードとしては誤解を与えるワードです。
例えば、こちらから確認・質問をさせていただく時に、(勤務に対し前向きな姿勢があるにもかかわらず)休みの取りやすさや福利厚生などに関する質問ばかりをしてしまうことです。
当然、採用側としては、しっかりとご勤務いただけるのかどうかと不安になります。
このような福利厚生に関する内容は、採用オファーの際に提示のある労働条件通知書に記載がありますので、そちらを確認して、もしそれでも不明な点がある際に確認するのがベターです。
また、条件交渉のタイミングも適切なタイミングで行わないと、これも誤解による印象ダウンにも繋がります。
交渉のタイミングについては経験豊富なエージェントであれば、わきまえていますので、先生からするのではなく、(信頼できるエージェントであれば)エージェントに任せるのがベターです。

5. エージェント同席の重要性
面接にエージェントが同席すると、面接中の発言と事前の条件が食い違った場合でもその場でフォローできるため安心です。
また後々、医療機関側と先生側とで言った言わないなどのトラブルになる可能性も防ぐ効果があります。

6. オンライン面接と質問力
コロナ禍以降、まずはオンライン面接というケースも増えています。
背景が暗すぎたり通信環境が不安定だと印象を損なうため、機材や環境を整えることも重要です。
また、採用面接は一方的な評価の場ではなく、先生が医療機関を見極める場でもあります。
オンラインだけに院内の雰囲気や文化などが分かりにくいケースもあります。
よって、(上記の福利厚生ばかりの質問に注意しながら)事前に業務に関する質問や病院の方針、風土に関する質問を用意しておくと良いです。

精神科医(医師)の採用面接は、条件交渉の場であると同時に、互いの価値観やビジョンを確認する場です。
事前にエージェントから内部情報を得て早めに計画を立てること、面接中は丁寧なマナーと誠実な姿勢を示すこと、そして採用側の視点を理解し自分の強みを伝えることが納得の転職への近道です。

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