病院選びを行う際の一つの指標について

弊社では、既に指定医をお持ちの先生方からも多数の転職に関するご相談を頂戴しております。
ご相談内容として割合が多いのは「将来的なキャリアプランについて」という事が挙げられます。
指定医を取得され精神科医として一通りのご経験を積まれますと、その後の身の振り方をどうすべきか、どのような選択肢があるのかについてご相談を受ける事が多くなります。
具体的なご相談内容としましては「今までは救急や急性期などの忙しい環境で勤務してきたので、今後は慢性期の病院でQOLも意識した働き方がしたい」というようなご相談を頂く事が多くなります。

このように慢性期病院をお探しになられる際ですが、一つだけご注意頂きたい点がございます。
それは極端な職場環境の変化への適応という事になります。
今まで救急や急性期でご勤務されていた先生方が極端な慢性期の病院に転職されますと、業務量や業務内容が大きく変わる事で物足りなさを感じてしまうなどの感覚に陥ってしまう事もあるようです。
そのような事にならないようにするためは同じ慢性期の病院の中でも、具体的な業務内容や業務量について細かくリサーチして頂き、同じ慢性期病院の中でもどの程度の慢性期病院なのかを確認して頂く事が重要です。

では具体的に確認して頂く方法ですが、以下のような点に注視して頂きますと、より具体的な比較が出来るのではないかと思います。
①病棟種別
精神一般病棟、精神療養病棟、認知症治療病棟、急性期治療病棟など、病棟の種別から確認する方法になります。
救急や急性期の病棟が無い病院や、精神療養病棟の病床数の割合が多い病院などが慢性期の病院を示す一つの指標になります。

②外来の業務量について
そもそも外来に力を入れているのか、病棟管理メインの病院なのかを確認して頂く事です。
また週に対応する外来のコマ数であったり、1コマで対応する患者数、新患がどのくらい含まれているのか、こういった数字からも病院の状況を確認する事が出来ます。

③平均在院日数について
病院全体の平均在院日数を確認して頂く事で、他の医療機関と比べ、どのような位置付けの医療機関なのかが見えてくる事になります。
併せて月間・年間の入退院数を確認する事で、入退院の回転が多い病院なのか否か、ここからも病院の現状を把握して頂く事が可能です。

④救急輪番や措置入院の有無について
救急輪番の有無や措置入院を受け入れているか否かも病院の現状を把握する際に大事なポイントになります。
救急輪番もなく夜間もいわゆる「寝当直」という事になれば、それも慢性期病院の1つの指標になるのではないかと考えております。

以上のような点をご確認頂きますと、同じ慢性期の病院と言えども、それぞれの病院の特色や現状について確認する事が出来ると考えております。
間違いのない病院選びをして頂く際のご参考にして頂けますと幸いです。