医師の採用面接で見かける誤解を招きかねないやり取り 

 

精神科の先生方と一緒に転職面接に同行させていただきますと、以下のようなやり取りが先生と病院との間で交わされる事があります。

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病院:「先生は現在ご勤務されている病院で、病棟では何名くらいの患者様をご担当されておりますか?」
先生:「〇〇名程、担当しています。」
病院:「当院として〇〇名程ご担当いただきたいのですが、問題ありませんか?」
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先生方の気にされるポイントとしては、現職よりも多い人数を言われた場合「診きれるだろうか?」「かなり忙しくなるのではないか?」という不安です。
確かに上記のやり取りであれば、仮に現在の担当患者数を上回る人数を言われた時は不安要素となります。

ただ重要な事は、中身を知る事です。

まず現職の病院は、急性期寄りの病院なのか慢性期寄りの病院なのか、今診ている患者様は急性期が多いのか慢性期が多いのか、という事を掘り起こす事が重要です。
そして転職先候補の病院が、急性期寄りの病院なのか慢性期寄りの病院なのか、そして求められている担当患者数は病棟医制であれば急性期なのか慢性期なのかを知る事が重要です。

一般的に慢性期メインであれば担当患者数は多くなります。
逆に急性期メインであれば担当患者数は少なくなります。

何が言いたいのかというと、忙しさは担当患者の単純な数の比較ではない、という事です。

急性期15名を診るのと、慢性期40名を診るのとでは、単純に数で比較してしまうと後者の方が忙しくなります。
ただ忙しさの実情は逆のケースが殆どです。

つまり、冒頭のやり取りで本来するべきやり取りは以下です。

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病院:「先生は現在ご勤務されている病院で、病棟では何名くらいの患者様をご担当されておりますか?」
先生:「今は急性期〇名程、慢性期〇〇名程です。ただ急性期は多い時で〇〇名程は診ていました。」
病院:「なるほど!当院として慢性期の患者様を中心に〇〇名程ご担当いただきたいのですが、問題ありませんか?」
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冒頭のやり取りよりも勤務イメージが湧いたと思います。

単純に数だけの比較で、忙しい病院、忙しくない病院という決めつけは良くありません。
特にこれまでのご経歴で急性期ばかりを診てきた先生にとって、慢性期病院での担当患者〇〇名はイメージがなかなかつかないものです。

このあたりは、事前の転職コンサルタントからの説明や、病院側からの詳細の説明・他の先生方の日中の動きやタイムスケジュールなどを聞く事でイメージは明確になるかもしれません。

上記の誤解は先生・病院双方にとって勿体無いのです。
面接とは限られた時間の中で双方を確認する場ですので、上記の事はしっかりと確認をする事をお勧め致します。