退職する医師が多い医療機関は全て悪い医療機関なのか?

日々、多くの先生方とのやり取りをさせて頂いておりますと精神科の医療機関について様々なお話を伺う事があります。
時には「~病院は離職する医師が多く印象がよろしくないんです、、、。」というようなお話を伺う事もあります。

私共は先生方と医療機関の間を取り持つ立場のため可能な限り中立な目線で物事を判断したいと考えてはおりますが、流石にこういったお話を聞いてしまいますと当該の医療機関に対して偏見を持ってしまいがちになるのも事実です。
しかし私共の方では偏見を持つのではなく実際にはどうなのか、それを探るべく様々な方法で医療機関に対してアプローチを行っております。
そして収集した情報を元に考えた結果、離職率が高い医療機関が必ずしも悪い病院ではない事が見えてきました。

では具体的にどういった情報が見えてきたのかと言いますとポイントは大きく分けて4つ存在しています。
1つは病院のカラーによるものです。
救急や急性期の病院に多い話ですが幅広い症例が集まるために指定医の取得を目指して入職される先生が多くなります。
そして指定医を取得出来た時点で退職する医師が出てくるのです。
そのため周りからすると退職する医師が多い医療機関のように見えてしまう事が多いようです。
2つ目は病院の規模によるものです。
在籍している常勤医師の人数が多いため、その中から何らかの理由(家族の転勤やご両親の介護、出産や育児など)を理由に退職される医師が出てきてしまう事です。
つまり人数が少ない医療機関に比べて人数が多いが故に退職する先生の人数も多いように見えてしまっているという現象です。
3つ目は医師の採用に関するリテラシーが乏しい医療機関の場合です。
医師を採用する事に慣れておらず面接をしても医療機関のカラーにマッチしていない先生方を採用してしまうケースです。
慣れていない医療機関ほど先生方からの要望を出来るだけ受け入れようと努力される傾向があります。
そのため条件だけはマッチするのですが実際に勤務を始めてみるとカラーが合わず先生方がやりたかった事が出来ないなんて事もあるようです。
4つ目は医療機関の内情に問題がある場合です。
労働環境や人間関係など退職するに値するような何らかの問題を抱えている医療機関の場合です。
こういった諸々の問題に気が付かず入職してしまい結果的に退職する医師が多くなる医療機関であり4つのパターンの中で最も注意が必要なパターンです。

以上の事から考えますと特に注意が必要なのは3つ目と4つ目という事になります。
どちらも予め医療機関の内情が分かっていれば防げる事ではないかと考えております。
しかし先生方が内情まで把握するのは非常に難しい作業ではないかと思います。
増してや他所の地域から転居しての転職などの場合には尚更、情報収集が難しいのではないでしょうか。

その点において弊社では多くの医療機関と様々なやり取りを通じで可能な限りの情報収集を行っております。
これらの情報を先生方にご案内させて頂く事で各医療機関の良し悪しやマッチするかしないかなどを判断出来るように心掛けています。
表面的な部分だけを見て本当の良し悪しを判断する事は非常に難しい事だと思いますが、そういった不安を少しでも拭えるようなご案内が出来るよう私共の方では今後も情報収集に力を注いでいきたいと考えております。