今年の4月より新専門医制度がスタートした訳ですが、まだまだ浸透した訳ではなく
先生方、医療機関共に手探りの状態で対応しているような場面が多く、
定着するには、まだまだ時間を要する事になりそうな感を受けております。

 

そんな中で現時点での応募状況や、病院側の反応などについて確認した情報を
お伝えさせて頂きたいと思います。

 

まず精神科では今まで専門医を取得するというよりは「指定医」を取得する事の方が
優先されてきた事は周知の事だと思います。現在でもご経験を積まれてきた先生ほど
指定医優先の考え方は強いように思われます。この傾向は今の所、変わる可能性は低いと
考えておりますが、これから精神科に進む事を考えている若い世代の先生方の間では
指定医だけではなく専門医の取得という事についても同じくらいの感覚で捉えている事が
多くなっています。

 

実際に後期研修医の先生方や現在、指定医の取得を目指して活動している先生から
転職のご相談を受ける際には指定医の取得だけではなく、専門医の取得を目指せるような
病院を探して欲しいという事で、ご相談を受けるケースがほとんどの状況です。

 

そうなりますと現段階で専門医の取得が見込める病院という事になれば
その候補に挙がってくるのは学会から基幹施設として認められた病院のみという事に
なっております。基幹施設には多くの場合、大学病院や国公立病院が多くなり
民間病院がそのポジションを担っているケースは非常に少なくなります。
つまり先生方の立場で考えますと選択肢が非常に少なくなっている事になります。

 

そうなれば専門医の取得を目指したい先生方が基幹施設に流れます。
それもあって既に基幹施設には多くの若手の先生からの応募が殺到しているようです。
特に民間病院の中で基幹施設になっているような所は非常に人気が高く、
既に応募者多数でキャパを越えてしまい募集を止めるような所も出始めています。
また、今はまだ枠が残っていても今後、関連の大学から研修医を受け入れて欲しいとの
依頼が増えてくるだろうという想定の下、募集に消極的な所もあります。

 

このように専門医の取得に関しては安易に考えない方が良さそうな状況になっています。
まだまだ制度自体が未完成な部分も多くなっておりますので、先走ってしまうと
後で痛い目に会うような事にもなりかねません。
(専門医の取得に関しましては)今年に関しては静観しつつ、次回より具体的な方法を考えてみるというのも
一つの方法かもしれません。